この巻から読む方もいないと思いますが
★★★★☆
まず、フランス革命を書ける現役の小説家としては、日本人ではこの人が一番でしょう。
わたしも、当然1巻から読み続けていますが、本書は少しだれたかな?ミラボーの死という大きなターニングポイントですから、もう少し掘り下げて(文献学的・客観的視点の付加)くれても良かったかも。(目指せ堀田膳衛!)
でも、面白いです。読んで損はなし。
こんなもんじゃないでしょ!?
★★☆☆☆
フランスをテーマにしたら
いまやこれほどの名手はいないはずの佐藤賢一。
そのフランス革命物語なんだから
これでは★★くらいしか付けられません。
まちがいなく革命初期の主役だったミラボーが消え、
その役割が次の人間へと移っていくこの時点だからこそ
このシリーズの問題点について書いておきたい。
とはいっても、
それはストーリーの本筋や人物の作り方とは別なんで
気にならない人も多いのかも。
でも言わせてもらうなら……
独白が多すぎてしかも紋切り型。
かつこれじゃ、主役級のほとんどがなんと
性格の深いところでまるで同一人物みたい。
佐藤さん、もっとワクワクさせてください!
神は細部に宿るっていうじゃないですか!!
革命のライオン、ミラボー逝く
★★★★★
この小説フランス革命シリーズも第4巻。今回は、ナンシー事件から始まり、ミラボーの死で終わる。
比較的静かな展開で、大きな動きはないが、むしろ、この後の激動の嵐の前の静けさといった感じか。
ミラボーが死ぬ前に、ロベスピエールと会話をする場面が、今回の一番の見せ場。志半ばにして病に倒れたミラボーが、革命の行く末を案じてロベスピエールに残した言葉が印象的だ。
おそらく、この後の展開を象徴する会話になるだろう。
次巻は2010年3月の発行予定ということだが、それまで待ちきれない。