ゴッホ
★★★☆☆
初出は1989-90年の『週間朝日』。
オランダを旅してまわる一冊。
意外にも日本との交渉史には、ほとんどページが割かれていない。むしろ「オランダ人」の本質を見極めようとする態度が目に付く。なぜオランダでは干拓や商業が発達したのか。その答えを旅の中で見つけようとするのである。そして、近代に経済を中心に発達したオランダだが、その根底には「田舎」がひそんでいると結論づける。司馬史学、という感じがする。
ゴッホやレンブラントなど画家の話が多いのも特徴。
現代のオランダにはものすごく沢山の日本人が住んでいるようだ。