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歴史学 (ヒューマニティーズ)

価格: ¥1,470
カテゴリ: 単行本
ブランド: 岩波書店
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コモンナレッジ、コモンセンスとしての歴史認識 ★★★★★
歴史における事実、客観性とは何か、というテーマを考える上で参考になる書である。「先の戦争の終戦の日はいつだったか?」というテーマは、たいへんわかりやすく、重要な問題提起となっている。

歴史認識は、マス・メディアによって作られる側面が強いことは否めない。マス・メディアは、常に「意図」をもつものである。とすれば、学問が果たすべき重要な役割のひとつは、複眼的な視点を提供すること、あるいは俯瞰的なマクロ視点と詳細なミクロ視点の両方を往来できる方法論を提供すること、にあるのではないか。歴史認識は、とりわけ対立を生みやすい。その意味で、教養ある人を、「話せばわかる人」と定義していることに注目したい。

「思想信条は異なっても話せばわかるという信頼感なくしては歴史を書くことは難しい。歴史学とは対話の素材を用意し、対話を実践する学問なのである。」(P30)という指摘は、Common Knowledge(知識として獲得した常識)が、Common Sense(経験から身について常識)に働きかける価値を感じさせる。それはCommon(共通の、共有の、公共の、社会全体の)という単語の広がりを意味するのではないか。異なった意見、平行線の議論の「中間者」となろうとする著者の立位置は貴重である。
本当の意味での「歴史に学ぶ」について考えさせられる本です ★★★★★
子どもの頃、何故お盆と終戦記念日が一致しているのか、素朴に疑問に思ったことがありました。また、同じく子どもの頃、世論を「よろん」と呼んでもいいし「せろん」と呼んでもいいことに少し引っかかりを感じました。

その8月15日の神話をはじめ、情緒的共感を重視する「輿論(よろん)の世論(せろん)化」の問題、ナチズムを絶対的悪と決め付けることの問題など、歴史学の立場から様々な意見を述べ、警鐘を鳴らしています。

歴史認識が度々問題となる時代において、歴史学の重要性をあらためて認識させられ、同時に筆者のますますの活躍に期待するところです。
マス・メディア史より歴史を考える ★★★★★
専門的に歴史を目指す学生の為に書かれたと著者自身が書かれているが、一読するとそうでもなく、本書に書かれている日曜歴史家や民間史学を含む、全ての歴史学徒にお勧めする本。

グローバル化が進む時代に、歴史学はどのように進むのか?メディア史を専門とする筆者が、自己の研究題材を元に、マス・メディアの問題を通して歴史学が抱える留意点を突く。かなり厳しい内容も含んでおり、特に戦時中のマス・メディアに於ける軍部との強調を、戦後になって弾圧とするような視点に厳しくメスで切り裂いている。更に、弾圧側の人物を紹介し、実は叩き上げのインテリであり、軍部内社会主義者でもあったなど、読者にも好奇心を持たせる書き方をされており、更に歴史家は断罪者ではないと批判もされている。特に、相手方の考えを踏襲するように注意をされており、一方的な視点からの歴史の剣呑さを注意されている。

著者は歴史家に必要な教養とは@人間心理の洞察Aコミュニケーションの技術(アジテーションではない!)3法則性の感度と書かれているが、正に至言であろう。