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フィールドワークの技法―問いを育てる、仮説をきたえる

価格: ¥3,045
カテゴリ: 単行本(ソフトカバー)
ブランド: 新曜社
Amazon.co.jpで確認
実際に使えた名著 ★★★★★
私自身、在学中にフィールドワークを行う機会がありました。
当時、文化人類学初学者でした。

フィールドワークは、
机で文献を読むこととは、
異なる営みです。


テーマ設定、フィールド選択から、
アポイント、アクセス、
フィールドワーク実行、
データの取得、分析、エスノグラフィー作成、
調査倫理、対人実地ゆえの葛藤など、
グループではなく、すべて独りで行うには、
不安が付き物です。

私もそうでした。
当時、フィールドワークの参考文献をいくつか漁りましたが、
フィールドワーカーに寄り添ってくれるような内容の本書には、
非常に助けられました。

例えば、文化人類学や社会学の歴史を概観し、
様々な学者、方法論、学説の紹介と課題を扱う書籍は、
枚挙に暇がありません。

ですが、これは、スポーツに例えれば、
テニスのルーツ、歴史、ルールを学ぶことでしかありません。
テニスとは何か、歴史的なプレイヤーは誰か、どんなコートやボールを使うか。

それを学んだだけで、
「私はテニスを学んだ」と本当に言えるでしょうか。

コートに立ち、ラケットとボールを持ち、
対戦相手とプレイして、
初めて「テニスを知る」と言えるのではないでしょうか。

残念ながら、大学の多くの授業が、
スポーツで言うところの「歴史とルール」を机で学ぶところで、
終わるものがあります。
これは重要な営みですが、
そこで終わっては高い学費を払って、
大学に入ったのにもったいないです。

当然、そこで購読することになる文献も、
「歴史とルール」に関するものがほとんどです。

誤解の無いように付け加えると、
もちろん一歩進んで、
優れた選手たちの試合を観戦するように、
諸学の研究者による様々な文献(エスノグラフィー)などを、
読み、様々な諸問題を議論することがあります。

これは大学で提供される優れた学問的営みであることは確かです。

本書は、言ってみれば、
実際にそのスポーツを行い、
選手を目指す人たちの本であると言えるでしょう。
その点で、
私自身非常に役立つものでした。

後のことは、他のレビューをご覧のとおりです。
マーケティングリサーチにも応用できる一冊 ★★★★★
この本は民族誌をまとめるためのフィールドワークについて
まとめられた本ですが、経営戦略を考えるときにも応用できそうな一冊です。

営業戦略の立案や新規事業の立ち上げのときには情報収集は欠かせません。
この数年で益々インターネットを通じて拾える情報は
増えてきたものの、それでもネットを通じた情報収集だけでは物足りず
仮説立案するためにはまだまだ現場での観察やヒアリングなどが
決めてとなることが多いのが現状です。

いわゆるフィールドワークが必要となってくるのですが、
ついつい、我流になっている下調べ、ヒアリングの仕方、
メモの取り方、情報整理の仕方など改めてフィールドワークの
ステップとポイントがわかる一冊になってきます。

抽出された情報について層別したり、整理することは慣れていた
としても、肝心の情報収集にバイアスがかかっていては元も子もなく
仮説も外れてしまう恐れがあるため、主観的になりがちなフィールド
ワークに客観性や正確さを求めることは極めて重要なことだと
日々感じています。

この本は少し前に書かれた本のようなので、
今とはツールの違いなどはありますが、基本的な心構えや
アプローチ方法などはとても参考になりました。
教科書、これぞ教科書 ★★★★★
表題どおり、実用的な「技法」をちゃんと教示してくれる本である。著者は実証的な社会科学の世界における日本で最高の教師だ。私は社会学専攻の学生だが、自分の学校の教授陣からはまともな「社会調査」のテクニックを教えてもらったという経験が、これまでなかった。「対象にはっつけ」といった謎めいたアドヴァイスをくれる方や、調査する相手と自己との関係性について熱く語る先生などはいたが、もっと具体的な作業の話になると、「実践してみて、試行錯誤しなさい」みたいな方向にもっていかれて、非常に困っていた。この本に出会って、ほとんど救われた思いがした。

技法の伝授以外でも、とくに著者の失敗談がおもしろい。「失敗から学ぶ、学ばせる」という姿勢が見事に成功しているのだ。著者が学生のレポートや論文を読んでいて、「過去の自分の失敗を思い出して、赤面してしまう」というくだりも、とても好感が持てた。

著者の体験談が共感できる ★★★★★
本書はフィールドワークのビギナーに最適な、繰り返し立ち戻れる良書である。フィールドワーカーという研究者として、かつ同時に一個人との感情の間で揺れる時、またフィールドワーク時に思うようにデータ処理ができない時、データ分析が思うようにいかない時、本書に帰り著者の体験談を読むことで「思うように『きれい』なフィールドワークができないのは私だけではないんだ」と安心でき、自己の現状の建て直しの切っ掛けをつかめる。具体的事例や丁寧な注釈も辞書的に本書に帰れるいいところである。海外のフィールドワークの文献にも引けを取らない。理論から実践へ目指すフィールドワーカーには一読をすすめたい。