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ヴァニシングポイント

価格: ¥1,470
カテゴリ: 単行本
ブランド: マガジンハウス
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【セブン-イレブンで24時間受取りOK・送料0円!】 著者/訳者名:奥山貴宏/著 出版社名:マガジンハウス 発行年月:2005年04月 関連キーワード:ヴアニシング ポイント ぶあにしんぐ ぽいんと、 マガジン ハウス マガジンハウス 7989 まがじん はうす まがじんはうす 7989、 マガジン ハウス マガジンハウス 7989 まがじん はうす まがじんはうす 7989 「オレはもうすぐ跡形も無く消えてしまうのか!?」昼は編集者として働きながらも心は満たされず、ドラッグを求めうろつきまわる夜。オレ、そしてイデイは、いつか一層深い、脱出不可能な闇に引きずりこまれて行く。 『ヴァニシングポイント』担当編集者よりメッセージをいただきました。目次の欄ですが、掲載させていただきます。4月14日刊『ヴァニシングポイント』著者、奥山貴宏氏が、17日夜に永眠されました。肺ガンで余命2年を宣告され、本人も作品中で「死ぬ覚悟はできている。だが、こわくないといえば嘘になる」と語っていました。肉体的に
同世代の青春文学! ★★★★☆
僕は、著者と同世代ですが、案外、この時期に書かれた青春文学は少なく、時代としてはつまらない時代だったのだろうかと感じてしまいます。
しかし、本当にこんな感じと風景で僕自身はそっくりに生きました。
そういう意味では良く書かれた本で、草食系男子なんてまだ出没しなかった時代の僕の鏡そのものです。
しかし、前の世代の龍さんや春樹世代、その後の綿谷りさ世代の狭間に位置する時代を駆け抜けた僕たちを、彼れがどう見るか?
興味深いところですね。
傑作だと思いますけど、あまりにも僕の世代を見事に切り取ったという意味で、自分自身を客観的には評価できません。
少なくとも、ほんまもんにこんな風に僕たちは生きたことだけは確かです。
ドップラー効果すら残さないほどの速度で ★★★★☆
癌で余命2年と宣告された男の回顧録という形をとった21世紀版私小説。
この人の文章には不思議な引力がある。
癌にかかった自らを徹底的に客観視するニヒリズムを貫きながら不思議と感情が手に取れるほどクッキリと浮かび上がってくる。
例えるなら数式や回路図で人間を表現する方法論。
他人と共有することが難しい限りなく個人的な感情(死への恐怖だったり、怒り、無力感、または喜び)を他人と共有する手段としてデジタルに変換し、発信する。マイク録りよりもライン録りといった感じ。
ロボットや宇宙船は出てこないけどSFだと思う。言うならば私SF(わたくしえすえふ)といったところか。
4年ぐらい前に読んだのだけど今読むと新しい発見があり、非常に面白い。
ちなみに著者の奥山貴宏は2005年に癌で亡くなっている。本当に惜しい才能だと思う。
カート・コバーンの遺書にある「錆びつくよりも燃え尽きたい」という言葉を思い出した。
燃え尽き、跡形もなく消滅した。語弊があるかもしれないが最高にクールな生き様、そして死に様だ。
正直がっかり ★☆☆☆☆
いい歳して何書いてんだ?と正直がっかりした。これを10代で書いたならそれなりに読めるが、いい歳こいた大人の書く本じゃない。薬やバイクにしても10代の若い時にやらなかった人間ほど、いい歳してハマる。こんなもん10代で卒業。正直やってる事が20年、二昔前。いい大人が、どうだ?スゲーだろと、これみよがしに書くと笑われるだけ。昔の「限りなく透明に近いブルー」でも、おいおい今更かい?とがっかりした。歳相応に遊べ。やってる事、書いてる事が子供。お疲れさん。
久しぶりに読んで興奮した小説。 ★★★★★
 昔、Webディレクターをやりはじめた頃、優れたWebサイトを集めた雑誌の中にひとりの女性のサイトが掲載されていた。
 むぎばやしひろこさんのものだった。そのサイトは美しくレイアウトされ、当時も今もヘッポコ現場監督の私は、むぎばやしさんに尊敬の念を感じた。彼女と私は同じ年齢なのに、細胞単位でクオリティの高い彼女自身に、強く興味を持つようになった。その後、時折むぎばやしひろこさんの活動をチェックするようになった。
 今年(2005年)の春、彼女のブログに長文が記載されていた。友人の死についてのもので、この本を出版した後に死んだようだ。その文書は、私にとってかけがえのないものだ。

 この本は、買ってからなかなか読めなかった。中身がよく分からないけど、ガンで死んでいった人間が死ぬ前に書いた小説と言われても、普通は闘病の話を想像するだろう。これ以外にも、タイトルに闘病をうたった本が確か二冊出版されている。タイトルだって、辞書で翻訳してみたら「消失点」。そんなこんなで、読むのをずっと後回しにしていた。
 今回ようやく読んで、久しぶりに小説を読んで興奮した。闘病記なんかではなく、純粋に小説としてある編集者の仕事とプライベートを書いている。もちろんモデルは著者自身だろうが、これは自伝小説ではなく、フィクションだと感じた。それぐらい、ハチャメチャで笑いも涙も盛り沢山だ。特にエクスタシーで全開になったままクラブの最前列で一切の疲れを忘れて踊るシーンや、覚醒剤をキメてバイクを盗み原チャ狩りをするシーンなど、こちらもキメたように思えるぐらい気持ちいい。
 ドラッグやバイクや編集というのがどれだけ気持ちいいかを述べる記述もある。主人公には、中盤以降ずっと恋人がいない。最初のうちはいたらしいが、小説には全く登場しない。これには全く同感で、ダサいセックスよりも音楽や仕事で得る快感のほうが断然気持ちいいのだ。それにエクスタシーが決まっていればもう最強だろう。

 人間が生きることを主題にした表現は本当にたくさんあると思う。その中でも、今すぐ麻薬のようにキクのはこの本だろう。活字中毒と言う言葉があるが、この本には本当に中毒になってしまいそうだ。
イデイというスパイス ★★★★★
自分としてはとても楽しく読めた。作者とイデイによる行動に眉をひそめる方もおられるかと思うが、おそらくイデイは架空の人物だと思われる。作者の知るアングラな知識や体験、作者の伝えたい事や考えを作中にスムーズに導入するための存在のように思える。また、作品に刺激を加えるためのスパイスとしての役割を担っているのだろう。私はそのようにイデイの存在を捉えた。
感想だが、どこまでが虚構なのかが分かりにくい構成だが、そのあいまいさがとても面白かったし、文章が巧みでよかった。出来ればこれからも彼の作品をもっと読みたかった。