「31歳ガン漂流」を読み、これを読みました。
比べてみるなら、後のことを綴ったこの本の方が「豊か」でやわらかい。
著者も言うとおり、その違いは「前よりも受け入れた」ことによるのでしょう。
肉体の常態を失われつつも豊かであり続けること。これこそが苦しい「闘い」であり同時に「糧」なんだ・・。
と読みながら何度も思いました。
「人間を保つ」こととは何んだろう。何をもって自分は人なのか。
そういうことを、考えました。
これから先、時間の流れに沿って、この本はどうなるのか。
今は暖か過ぎて、その「まだ熱いほどに暖かいのだ」という意味も含まざるをえないのですが、
もっと年月が経ったとしたらと考えた時---
それでもこれは「生き残る本」だ。とわたしは思いました。
涙して深く胸に刻まれる、というより、自分の纏う空気の中にいつでも含まれてそこに在る。
これは自分にとって、そういう一冊です。