Roy Eberhardt は転校生──そう、まただ。今回の舞台は湿気の多いフロリダ州ココナツ・グローブにある Trace Middle School。だが、いつもどおり、昼食のときはひとりぼっち、本当の友だちはいないし、Dana Matherson のようなバカないじめっ子に、あごで使われている。でも、あの日Dana Matherson に顔をスクールバスの窓に押しつけられていなかったら、Roy は亜麻色の髪をした少年が走っているのを目にすることはなかったかもしれない。走る少年を見ていなかったら、背が高くて強くて、いじめっ子をやっつける Beatrice に出会うことはなかったかもしれない。Beatrice に出会っていなかったら、East Oriole Avenue の角の敷地に住んでいるアナホリフクロウを見つけていなかったかもしれない。アナホリフクロウを見つけていなかったら、おそらく、一生に一度の大冒険を経験しそびれていただろう。どうやら、いじめは万物の大きな目的に適うらしい。なぜなら、Dana Matherson がいなかったら…。
初めてのヤングアダルト小説で、Carl Hiaasen(著書にBasket Case など)は、読者を環境問題がらみのミステリーに引き込む。絶滅の危機に瀕した小型のフクロウや、フクロウたちの巣穴の上に建設予定の Mother Paula の All-American Pancake House、それにフクロウたちの思いがけない味方──いかれたおとな社会をやっつけようと決意するミドルスクールの生徒3人で構成される世界だ。ドタバタ喜劇ふうのユーモアのセンスをうまく子ども向けにアレンジしても、Hiassen の語り口は皮肉さを失わない。ミドルスクールのミステリファンの間でヒットまちがいなしだ(対象年齢:10~15歳)(Jennifer Hubert, Amazon.com)
6時間25分の標準英語。
★★★★★
児童書だけあって、表現に特に難しいところもなく楽しく聴けました。ストーリーに起伏があるので飽きません。ナレーターの発音も標準的でした。Audiobook 初心者におすすめします。
多読の方に・・・
★★★★★
父親の転勤でフロリダに転校してきたロイ。学校には何となくなじめず、おまけにスクールバスではいじめっ子のダナに目をつけられている。
そんなある日、バスの中からふと目にしたはだしで走る少年。思い切って彼の後を追っていくと、その先にはロイの知らなかった、驚くべき世界が広がっていた・・。
原書は英語の多読をされている方にはお勧めの一冊です。
理由としては
1、子供向けで、英語が平易(生き物の名前になじみのないものもありますが、読んでいれば大体どんなものかわかる程度です)。
2、の割りに、文章の量はある。
3、一応ミステリー仕立てだけど、善悪がはっきりしていて話の筋がわかりやすい。
4、いまどきの問題を扱っていてちょっと考えさせる。
5、読後感はさわやか!
いまどきの問題とは例えば児童虐待(ネグレクト)、いじめ、自然破壊などです。
実はこの本で扱っているのは、かなり根の深い問題ばかりです。
にもかかわらずそれを子供に向け、単純化して分かりやすく書くことのできるハイアセンの「軽さ」の芸はあなどれません。勧善懲悪、いいじゃないですか。
家の小学生は丁度転校した時にこの本の邦訳版を手にし、しばらくの間心の友にしていました。なので星1つ追加。
夏休みの読書感想文にも最適?!
★★★★☆
一人ひとりのキャラクタが個性的だし、物語の展開もグイグイ引き込まれるようになっている。 「特に普段から読書習慣のないこどもの夏休みの読書感想文」などにも最適な本だと思います。
面白さの中にしっかりと著者の言いたいことや物事の本質を鋭く指摘するような内容も含まれていて、こどものころにこんな本を1度くらい読んでおくといいかな、と思ったりしました。
もちろん「普段読書の習慣が無い大人(オレか?!)」にも楽しめる良書だと思います。
親子で一緒に読んで感想を話し合うなんていうのもいいかもしれないですね。
カール ハイアセン氏のヤングアダルト小説 第2弾の「フラッシュ(FLUSH)」も面白そうです。
忘れていたすがすがしい気持ちにさせてくれる本
★★★★★
物語は、とくに大事件もなくすすんでいくのですが、
なぜかぐいぐい引き込まれていきます。
大切なもの、守るべきものは本当はとても近くにあって、
それを守り抜くことの難しさ、また貫くことの大切さに気付かされました。
毎日自分が小さな幸せに囲まれていて、
またそれを守ることって実は大変なのかもしれない、
と考えさせられました。
読み終えたあと、小学校のころの運動会のあとのような、
とてもすがすがしい気持ちになりました。
おもしろかった!
★★★★★
この本の表紙。読む気を誘うようななぞめいた表紙。POPな配色。本当に謎めいています。この本がどんな本かなんて、宣伝やレビューなどを目にしない限りほとんどの人が想像できないのでは・・・?題名は「HOOT」ですが、この言葉からもなにがなんだか・・・。
そんなわけで、私はこの本に対して「売れている」「人気がある」以外の前知識を何一つ持たずにこれを読み始めました。
そしてそれはおそらく、大成功だったことでしょう。
なにも知識をもたずに読むと、正直、前半がとても長く感じます。面白くなるまでにかなり時間がかかります。慣れないアメリカっぽい言い回しや人物名もそれをあおり、なかなか本に入り込めない自分を感じました。それでも我慢して読みました。
そして・・・、中盤辺り、この本の表紙にかくされているかわいいあいつが何か分かったとき、私は物語に心をすっかり奪われてしまいました。本当に意外な展開でした。まさかそのような方向へ進むとは思わなかったからです。
ストーリーは中盤ぐらいから、物語はどんどん、まるで目の前に映像が流れていくみたいに、とても小気味よいテンポでわかりやすく進んでいきます。ラストの方のいちばん盛り上がるシーンでは、本当に脳裏に大掛かりなセットが思い浮かんできました。こんな光景だったのかしら・・・?というふうに。 いやあ、おもしろかったです。
主人公の少年も、他の登場人物もみんな個性的で素敵。なかなかやるじゃないの!と思います。
この本を読むには、謎めいた表紙を手に取り何も前知識を持たずに読むことをおすすめします。物語の波に乗れば、分厚い本ですがすぐに読めてしまいますよ。