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Liebesfluchten: Geschichten (Diogenes Taschenbuch)

価格: ¥946
カテゴリ: ペーパーバック
ブランド: Diogenes
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   妻の死後、彼女のかつての浮気相手と思われる男から彼女あての手紙が届く。彼への嫉妬と生前の妻への不信感から、夫は復讐をしようとひそかに男に近づくが…。妻を亡くしたある男の心情を切々と描いた「もう一人の男」をはじめ、過去の悲劇や宗教問題のために、愛しあいながらもいさかいが絶えないドイツ人とユダヤ人のカップルを描いた「割礼」など、短篇7篇を収録。

   本作品は、空前の大ベストセラーとなった『朗読者』(英訳『The Reader』)に続く、著者ベルンハルト・シュリンク初の短篇小説集。この作品の中で彼は、社会や国家の歴史やありかたに否応なく影響を受ける男女の愛をはじめ、子どもに対する父親の愛情、1枚の絵に描かれた少女への特別な感情、さらには妻のほかに2人の女性と関係を持ち、三重生活を送る男の愛など、さまざまな愛のかたちを描いている。

   音楽、絵画、建築などの芸術的な要素を盛り込み、登場人物の心情の変化を細やかに描いてみせる筆力は、前作に勝るとも劣らない。いくつかの作品では、秘密を追求するというスリルあるストーリー展開で、推理小説的な要素も楽しめるなど、その魅力は多様である。また、著者はベルリン・フンボルト大学法学部教授という顔も併せ持つ。彼の研究テーマである「ユートピア」や「故郷」に関する考察が、作品の中でさまざまなかたちに具現化されている。特に「割礼」の主人公が割礼を決断、実行するくだりは、強いインパクトを持った象徴的な部分だとも言えるであろう。(石井和人)

悲惨な歴史の果てに ★★★★★
一筋縄にはいかない人生があって、愛があって、個人や家族や民族や国のヒストリーがあって、仲間や友人や恋人がいて、でも結局、人間は孤独。そんな事実を改めて感じさせられる作品だが、だからと言って未来が暗い訳ではないことも、伝わってくる。

シュリンクの作品に一貫している、「歴史」に関する考察。
敗戦国、侵略国としての歴史を共通に持つドイツと日本。

戦争を体験していない世代が、自国の歴史にどこまで責任があるのだろう。個人的には責任はないと思うが、「割礼」の恋人たちと同様に、歴史に関して何らかの見識を持っていて、その見識が互いに一致しない時、ほんとうの意味で理解し合った関係はありえないと、感じた。もちろん、それはシュリンクの意図する結論ではないが。

とにかく、いい作品。
戦争を知っている世代の方の感想を伺ってみたい。
バイオリニストの妻を亡くした男の話が面白かった ★★★☆☆
まぁ、面白かった。
欧州の人の心情をよく表しているということで読み始めた本。
ドイツ人の話。
短編集。バイオリニストの妻を亡くした男の話が面白かった。彼の心情は理解できないこともなかった。

小説は小説として、市井の人との乖離はどの程度なのだろう。日本の小説の記述と日本の市井の人々との距離感から類推すると、ダイブ違うのだろうなとわかる。ただ、どこが突飛な部分として小説に記されているのかは、まだ理解できていない。
愛とは ★★★★☆
 
 作者の「愛」の感覚なのだろうか、
それぞれの短編の中に出てくる愛はとても個人的だ。

 求めてもすり抜けてゆき、手元には愛の残滓だけが残る。
そんな短編集。

 しかし実は愛とはそういう物ではないだろうか?
愛し合うもの同士の間にあるようで居て、
その実、ある瞬間に一方の中にだけしか存在しない。
おとぎ話ではない愛、少し考えるにはいいだろう。

 もう一つの特徴は、東西ドイツに関わる問題を背景にしているところ。
この雰囲気は独特で、味わうに値する。

 僕が中学生の頃はまだ東ドイツがあって、ベルリンも東西にわかれていた。
そのころ東ベルリンに引っ越して行った子と文通していた事を思い出した。
外国人である彼女は西ベルリンに行く事ができて、
東の友達にお菓子をねだられるのだと言っていた。
僕らの知らない東西間の話は子供ながら面白く記憶にある。
そのころの東西間にあったもつれは、きっと今もあるのだろう。
スローな短編集 ★★★★☆
 結末を強制しない短編集。全7編、ドイツの過去とユダヤ人、個人のアイデンティティーと最も近い存在のはずの妻とは何か、東西ドイツ統一の功罪と、いろいろ趣向が楽しめる短編集。
 ゆるい短編集で好き嫌いが分かれる。起承転結でバシッとオチるのが好きな人は読まないほうが無難。
 個人的には全7編中、最後の『ガソリンスタンドの女』が秀逸。男なら、この気持ち分かる!?
『逃げてゆく愛』を原書で ★★★★☆
 長編『朗読者』の世界的ヒットが日本でも話題になった、ベルンハルト・シュリンクの短篇集。知的でスタイリッシュな7編が収められています。繊細な男女の愛に、現代のドイツやドイツ人の抱える問題を、さりげなくからめて語っています。たとえば最後に置かれた作品『ガソリンスタンドの女』は、シンプルでありながら深い余韻の残る佳品です。『朗読者』と同じく新潮社から翻訳も出ています。邦題は『逃げてゆく愛』。