格調高い演説
★★★★☆
ピューリツァー賞受賞者である彼の文才をしのばせる多くの演説は、その簡潔な表現と格調の高さにおいて、現代英語の最もすぐれた散文の一つとしても評価されています。(「はしがき」)
たしかに、どこかの国のトップの所信表明演説とは「格」が違う。信念・哲学がほとばしっている。(暗殺されただけある。)
意外だったのは、ヒトラーや北朝鮮的アジ演説みたいに口角泡を飛ばしているのかと思いきや、原稿を淡々と読んでいる感じ。
中でも、私が一番気に入っているのが、1963年9月20日に国連総会で行った演説の一部だ。
It is never too early to try; it is never too late to talk; and it is high time that many disputes on the agenda of this Assembly were taken off the debating schedule and placed on the negotiating table.
「試みるのに早すぎるということはありませんし、また話し合うのに遅すぎるということもありません。いまや本総会の議題とされている幾多の紛争を、もはや討論の段階ではなく、実際の交渉の場に移すべき時であります。」
翻訳ソフトでは、こうは見事に訳してくれないから(実際にやってみたらハチャメチャだった)、1,680円は決して高くはない。