ジョン・F・ケネディの一生
★★★★★
ジョン・F・ケネディに関する本が読みたいけど、
たくさんあり過ぎてどれから読んだら良いのか分からず。
そんな中見つけたのがこの本でした。
ケネディの幼少時から暗殺まで、彼の一生を追った内容だったので、
「1冊目として読むのに最適かも」と思い購入しました。
実際本当に読みやすかったです。
とは言え、重要なエピソードが抜けているわけでもなく、
ポイントを掴んでいたので非常に良かったです。
知らないことが多くありました。
ケネディが幼少時から病弱だったことも、
兄に劣等感を抱いていたことも知りませんでした。
下院議員選挙・上院議員選挙、そして大統領選挙。
その様子も詳しく書かれています。
悪い事も書かれています。
選挙の裏で相当な不正があったことも衝撃的でした。
今までケネディ関連の資料は散々見てきたつもりでいましたが、
意外と知らないことだらけだったんだなぁと、この本を読んで気づきました。
彼の大統領としての期間はわずか2年11ヶ月余りでした。
内政ではほとんど功績を残していないそうです。
それでも、核戦争1歩手前になった世界を救ったのはケネディだし、
数多くの演説を目にすると思わず惹き込まれてしまう。
やっぱり何かを持っている人なんだと思います。
毅然とした態度が好きだし、子供に見せる顔も好きです。
今でもアメリカ国民が1番好きな歴代大統領はケネディなのだとか。
分かる気がします。
死んでしまったことで神格化されているとしても、
あの時代、国民は彼に多くのことを期待していたんだろうし、
その好きな気持ちは本物だろうと思います。
「ケネディ」と「アメリカ」
★★★★☆
ケネディの神話的なイメージと言えば健康的で社交的、政治的には理想主義者だと思いますが、この本によれば、実際は病弱で内向的、政治的には現実主義者(もちろん理想主義の面もあります)だったようです。
入退院を繰り返した青年時代、親の金で選挙を戦った政治家時代、現実的にキューバ危機を乗り切った大統領時代、徹底した反共主義者であり、人種差別に反対したり、腐敗した組合と戦ったりとケネディの色々な面が理解できます。
この本はケネディに興味がある人は買って損はないと思います。
反共の闘士にして社会的弱者に優しかった人
★★★★★
日本ではケネディはリベラル派のエースということになっているが、本書を読むと政治理念や政策の中身は現実的でまとも。
政府の権限拡大に反対し予算肥大を嫌う一方、ソ連との平和共存を否定し軍事力拡充に努めるなど共和党でもおかしくない。
ルーズベルトやカーターの方がはるかに左だ。
ケネディはなにも最初からスターだったわけではなく、少年時代は優秀な兄に劣等感を抱き続け、
下院出馬も上院への転身も父のお膳立て、そもそも大統領の椅子も父の遠大な野望だった。
引っ込み思案で人付き合いが苦手、およそ政治家向きとはいえなかった。
そんな彼が生まれ変わったのは上院2年目の長期入院だった。
己が正しいと信ずる投票を行い、結果落選した政治家たちを描いた本を執筆し、
世論におもねらず不人気でも自己の信念に基づく決断を下す道を選ぶ。
一方、幼少時からの全身倦怠と治療薬の副作用で、絶えず腰痛と頭痛・排尿障害・潰瘍性大腸炎に悩まされる。
暗殺がなくても体がもたなくて、遠からずギブアップしたのではないかとさえ思える。
同じく潰瘍性大腸炎で唐突な辞任をした安倍首相を連想する。
“赤狩り”のマッカーシーと家族ぐるみの交際だったというのも驚き。
まるで物語を読んでいるようでした
★★★★★
まるで物語を読んでいるようでした.それだけジョン・F・ケネディの人生がドラマチックだったということでしょう.JFKに関する本はいろいろとありますが,本書はケネディ家の二男として生まれたところから,暗殺されるまでを時系列で紹介しており,彼の一生をざっくりと理解するのに非常によいのではないでしょうか.
キューバ・ミサイル危機におけるケネディとフルシチョフの駆け引きは,瀬戸際戦略の成功例として戦略論の本などでも取り上げられていますが,本書でじっくり読むと一歩間違うと世の中は変わっていたんだということ,大統領はそれだけの責任を負っているんだということを痛感します.
お勧めです.
読みやすく、そして深い内容
★★★★★
ケネディ研究者たる著者のケネディもの最新作。
私は落合信彦作品により元大統領ジョン・F・ケネディや
その弟で元司法長官のロバート・ケネディについて興味と
好感をもちました。
その思いが、この1冊でさらに膨れ上がりました。
読みやすく、そして内容も濃く、ケネディを知るには
最高の1冊だと思います。