お坊ちゃんの自慢話
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とにかく読んでいて鼻につくのが「ああいう身分になってみたいものだ」「あの人はまあ特別だから」「あの御仁は、ああいう人だから」「あの人は特別、うらやましいかぎり」「いいご身分ですね」と人から言われたい、思われたいという著者の思いである。そうなるとその後のコレクションの話も読書も旅も自慢話にしか聞こえてこないのだ。
「八訓」なるものも取ってつけたようで最後に「超隠居には、他者から“べし”などといわれる筋合いなどない」といいながら人の目は気にするわけで、勝手なもんだなあと。