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すき・やき

価格: ¥1,365
カテゴリ: 単行本
ブランド: 新潮社
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文章がまるでだめだが… ★☆☆☆☆
在日留学生を主人公にした小説を書いてやろうと思い、本書を図書館で借りてきた。

芥川賞受賞の『時の滲む朝』クラスのお粗末文章。地元の国立大の文芸部の作品に完全に負けている。

このできの悪い小説を種本にして、新しい小説を書いてやろう。知り合いの留学生の生活をベースにすれば、本書よりちゃんとした作品が書ける自信がある。

外国人から見た日本というのは、日本人受けするテーマだから、あたるかも知れない。
無難な良作 ★★★★☆
中国人作家であるとか、芥川賞受賞者だとか、付帯する属性情報はあるものの、中身は至ってオーソドックスな小説。しかし、最近このような「まっとうな」小説を読んでないなと感じました。著者も読者もひねくれすぎてしまってちゃんとした文章で書かれた普通の小説が少なくなったのか。それとも本当は世の中には、まだ大丈夫、そのような小説はたくさんあって、私の目が曇ってしまっただけなのか。だとしたら悲しいことですが、久しぶりにすっきりした読後感だったので以上。
中国から来た純粋無垢な娘が日本料亭で大人の世界と人生と恋愛について学ぶ成長物語。 ★★★★☆
中国人女性として初の芥川賞作家となった才媛楊逸の小説第四作です。本書のヒロイン中国人女性の梅虹智(ばいこうち)は日本に来て1年8ヶ月で、やっと三流大学に合格し入学が決まって先に日本人の夫に嫁いだ姉思智(しち)からアルバイトを許され高級牛鍋料亭「なごん庵」に勤める事になります。姉も昔お世話になったお店で教育係のヨリコさんから「ココちゃん」という愛称をもらった虹智は、初めて経験する着物の着付けや言葉使いや礼儀作法を勉強しながら次第に勤めに馴染んで行きます。
本書の面白さは、来日外国人の物語ではお馴染みの片言の変な日本語よりもヒロインが経験して行く日本的な人間関係が醸し出す人生模様にあるでしょう。虹智が最後まで頓珍漢に水道局の仕事だと勘違いしたままの「水商売」の女性客「ヒジリちゃん」の華やかな宴席で浮かれ騒ぐ陰に秘めた悲哀の情、上品な常連客の藪中さん夫妻が何時しか夫人が来られなくなった悲しい事情、姉思智が仕事に打ち込み家庭を省みない夫への不満から昼間TVの韓流ドラマ「冬ソナ」にハマって恋愛に一途な韓国人男性に憧れる様子、等が興味深いです。そしてメインはヒロイン虹智の恋愛模様で、立派な態度に密かに憧れ恋する雲の上の存在である日本人の店長、片や全くその気がないのに盛んにモーションを掛け焼肉屋へ食事に誘う大学の友人の韓国人留学生の柳(ユヒ)の二人の存在の間で揺れ動く乙女心が微妙に描かれます。著者は終盤近くで虹智に2つの驚きを突きつけ試練を与えて唐突に物語を閉じます。本書は著者の作品中でも最も読者に想像を委ねるエンディングだと言えるでしょう。虹智はもしかしたら少し傷つくかも知れないけれど、芯の強さと潔癖な倫理感の持ち主なので結局は立派に乗り越えるだろうと私は思います。著者の流儀も解りますが、何時かこれまでの5つの物語の主人公の中国人達の後日談を書いてくれたら面白いだろうなと思いました。
すきやきが食べたくなります ★★★★☆
日本で生活する中国人、虹智の感じた事、発見や戸惑いの中で彼女の純粋さが表されていて、応援したくなります。 店長への淡い恋心もほほえましく、かわいらしいです。 水商売の言葉の勘違いや、柳との片言の日本語でのやりとりが楽しいです。
女子大生のビルドゥングスロマン ★★★★☆
 タイトルはその名の通り、主人公の梅虹智(ばい・こうち)がバイトするお店を指しつつ、自分や姉の結婚生活などを語るため、人の「好き」嫌いなどもひっかけているのかもしれない。これまでの著者の作品と同じく、中国国籍を持つ女性の異国体験となっている。ただ今回は著者の体験を、主人公の姉、梅思智(ばい・しち)に盛り込んでいるようだ。しかし読んでいて、うがった見方かもしれないが、本当はもっと驚くこと、文化の差があるのではないかと思った。どちらかというとそのへんを読みたいが、本書では、ある程度予想のつく内容ではある。

 ただ、中国では年上の女性を「〜オバサン」と呼ぶのは、丁寧語であるとか、すき焼き屋では着物を着るため、そのあたりの感覚の違い、『三国志演義』に登場する馬の名前がお酒に使われていることに違和感を覚えるとか、韓国との違いなどが浮き彫りとなる。

 虹智は大学でコミュニケーション学を専攻しているが、本当のコミュニケーションはお店や、言い寄ってくる客、同級生の韓国人学生、洗練されていると密かに思う「なごん庵」の店長たちとのつきあいの中で学んでいく。また、韓流ドラマやスター、派遣、認知症、多言語社会ゆえの紛争など、姉夫婦や大学、バイト先という狭い社会以外のことも盛り込まれている。そして姉から少し驚くことを告げられ・・・。女子学生のビルドゥングスロマン(教養小説)、といった感のある作品だった。