一番好きなアルバム
★★★★★
2曲目の「オール・ザット・ユー・ドリーム」は、ポール・バレルの曲ですが、ローウェル・ジョージという人を一番良く表現している
歌だと思います。
テーマは挫折と再生で、挫折感にもがきながらも「でもしょうがない、やるか!」という折り合いの付け方に彼らしさを感じます。
「ウェイティング・フォー・コロンブス」のライブバージョンも好きですが、本作でのバージョンでは、切ない感じが良く表現されていて、より強く共感を覚えます。
それだけではなく「ロング・ディスタンス・ラブ」や「マーシナリィ・テリトリィ」といった名曲もあり、ローウェルの歌声は、
本作のあたりから独特の味(よれた感じというか人間味というか)が出てきて、作品に深みを与えているように思います。
本作は、ローウェルの表現力の進化と他のメンバーの活躍が絶妙にバランスした最良の作品だと思います。
最高傑作・・・かな。ジャケは最高!
★★★★★
結論から言ってローウェル・ジョージ在籍時の作品は、どれも好きです。
その中でも、このアルバムが、個人的にわずかにリードしているのは、音の密度、特にリズムセクションの、たたみかけるような緻密度ですかね。
意図的にやっているのかわかりませんが、このアルバムでは、リッチー・ヘイワードのしまったドラムと、ペインのシンセのモダーンなアプローチが他のアルバムとは違うと見た。その分、フィートの武器の一つである、ジョージ臭い渋い、ややけだるいムードはあまりないです。
ジョージ・ファンの皆さんには悪いけど、メンバーが、そろそろおかしくなってきていた、ジョージ=フィートからの脱却を図ろうとしていたのかも。もともとフィートというバンドは、基本的にソロとバックという構図で簡単に説明できるバンドではないと思います。
この作品では、かつてのフィートと新たなフィートのせめぎあいのようなものを感じることが出来ます。そこのところがこの作品の面白さであり、聴きどころであるように思うのですが。
いずれにせよ、このような、素晴らしく魅力的な作品を残してくれた、リトルフィートのメンバーやスタッフの皆さんには感謝以上の言葉はないです。フィート以外には決してなしえないサウンドです。ジャケ・デザインはフィートの作品中最高でしょう。
かつて渋谷陽一氏がフィートのことを確か「深読みするときりがない」サウンドとおっしゃっていましたが、このアルバムにもそれはあてはまると思います。
バラエティに富んだ一枚
★★★★★
リトルフィートを語るに。
完成度はピカ一でありましょう。
バンドサウンドとしては完成の域に達していると思われます。
リトルフィートの聞き込みが浅い小生ではありますが。
小生生誕4年前。33年も前のアルバムなのです。
ハイライトはマーシナリーテリトリーとロングディスタンスラブ
刹那過ぎて溜まりません。
デイオアナイトも面白い曲です。
さまざまな所で指摘がありますが曲の志向が大きく2つに別れ
ローウェルジョウジ在籍時の臨界点を示す意味で最後のアルバムとは
いいすぎでしょうか。
デキシーチキンに負けない完成度
★★★★★
ローウエル・ジョージ=リトルフィートという訳ではない。メンバー一人一人が才能溢れる優秀なミュージシャンである。ローウエルがギタリスト、ヴォーカリスト、ソングライターとしては6分の1強の役割を果たし、コントロールルームから裏方として全体をプロデュースしたのが本アルバムである。ソングライティング、ヴォーカル部門で目覚ましい活躍をするのがキーボードのビル・ペインとギターのポール・バレールだ。彼らのちょっとイカレタ歌詞とイナセなボーカルは聴けば聴くほどに味わい深くなる。ジェフ・マルダーとエイモス・ギャレットのコンビにも匹敵する程にシャレが効いている。演奏部門では、キーボードのビル・ペインが、ピアノ、オルガン、ムーグシンセイザーを操りアグレッシブなプレイでバンドを引っ張る。ヘイワード、グラッドニー、クレイトンのリズムセクションはより安定感を増したファンキーなビートでサウンドを彩る。フロントのペイン、バレール、ジョージを盛り上げる熱い一体感にグループとしての成熟を感じさせる。名盤デキシーチキンに勝とも劣らない完成度を誇る作品だ。それにしても本作とデキシーの曲の流れはよく似ている。Rmance Dance VS Dexie Chicken, All That You Dream VS Two Trains, Long Distance Love VS Roll Em Easy, Day Or Night VS On Your Way Down・・・如何でしょうか?聴き比べると面白いかも。プロデューサーのローウエル・ジョージの好みなのでしょうか。最後に入っているライブアルバムのWaiting For Columbusから持ってきたボーナスの2曲はやっぱり邪魔に感じてしまう。
若干マイルドになりつつも、まだまだ粘度の高いアルバム
★★★★☆
76年発表の5作目。3作目 (ディキシー・チキン) あたりと比べるとかなりマイルドになった印象があるものの、それでも従来のアクの強さは失っていません。リンダ・ロンシュタットが取り上げた2.は、かなりポップで中間部はジャズそのもの。全体的に落ち着いた雰囲気が漂っているのは、余裕の現れなのか?それとも度重なるアクシデントの結果によるものなのかは分かりませんが、この雰囲気も悪くないです。4.でシンセサイザー?と思われる音も聞こえてくるのですが、このチープな音が骨太の演奏の中に入ると不思議と違和感がないのですから不思議です。一般にローウェル・ジョージがやや後退し、ビル・ペインやポール・バレールが前に出て来たアルバムという評価のアルバムだけど、そうですかね?バランスはそんなに変わっていない気はしますね。