しかし、これを学生が読んで「国語を学ぶ意味」が分かるのだろうか。核心にたどり着くまでに長々と教師と生徒の会話が続き、最後は「自分で考えなさい」 そりゃないでしょ?!
読者の知りたい答えの核心が書かれていないのだ。ジュニア文庫だから後は自分で考えなさいと言うことなのだろうか。
まるでずるい大人と話しているような気分になる。
例えば古典を学ぶ意味は「昔の日本人の考えや暮らしと自分自身を比較し、今後の自分の生き方に生かす」など、明確な答えが欲しい。
試みは評価できるが、答えがずるいので星2つ。
この本では、先生と生徒たちとの問答というかたちで文が進んでいく。よく練られた会話で、正直な性格の生徒たちが「先生、そんなこと言われてもわかりませんよ」などと読者の代弁をしてくれれば、先生は先生でやさしくフォローを入れてくれる。
なぜその教科を学ぶのかについて考える機会がもっとあれば、勉強もよりポジティブにすることができるんじゃないだろう!か。どの教科であっても、この本の著者のように、親身になって深いことを言ってくれる先生に出会ったら、その教科をもっと好きになれるだろうに。