足と足の裏をあわせて...
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オリジナルは1963年発表。いわずとしれたヴォネガットの長編4作目にして最高傑作。アイスナインとボコノン教というガジェットを使って,狂気の科学による人類と地球の突然のおろかな終末をシニカルに描いた作品。ちなみに私はこの本がヴィンディットしてボコノン教の信者になりました。さあ,あなたもこの本を読んで足と足の裏をあわせてボコマル!
凄い傑作だと思う。SF好きで良かった!
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これこそがSFの面白さだと思う。独創的で、突飛で、すごく印象的で、楽しく読める傑作。
ベリーナイス
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タイタンの妖女も大好きだけど、こっちも同じくらい好きです。
真実や真理を追い求めると、答えはいつだって悲しかったり無味なものになりがちですが、
作者はそういうものに対して、おもしろ可笑しい提案をしてくれています。
へんてこだけど信じたい。
そう感じてしまう本でした。
《メタ宗教文学》の傑作。
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文学の世界には、《メタ宗教文学》とでも言うべき、系譜があると思う。具体的には、ゲーテの『ファウスト』。ブレイクの『天国と地獄の結婚』。リチャード・バックの『かもめのジョナサン』。あるいは、ディックの『ヴァリス』。など、文学という型式を利用して、全く《架空の宗教》を造り上げてしまう、という系譜である。本作も、この《メタ宗教文学》を代表する傑作だと思います。《この宗教は、全部、嘘です。》と、最初から自分で言ってしまう、架空の宗教《ボコノン教》というのは、最高のアイデアだと思います。オモシロ切ない、大傑作です。
シュール・リアリズムのような小説?
★★☆☆☆
60年代のアメリカで若者にカルト的な人気のあったヴォネガット。アメリカ人気が日本での人気に火をつけたのだろうか?米ソ冷戦、核軍拡の競争、言論の自由の弾圧、人種差別など、様々な問題を抱えた時代だからこそ、斜に構えてパロディーのようにして当時の社会を批判した本作品が若者の幅広い支持を得たのだろうか?
確かに、科学進歩の管理を誤る脅威や核の脅威など、ヴォネガットが作品に寓意を込めた問題は、今なお切実な問題ではあるが、パロディーでサラリと触れられただけだと、「だからどうなの」と言いたくなってしまう。
こういった問題は、支離滅裂なストーリー展開や直接的な当てこすりで示されるよりも、強烈なリアリティーをもって突きつきつけられた方が心に残る。同じ古典のSFであれば、個人的にはオーソン・ウェールズの「1984」の方が好きだし、今の若い人が、このヴォネガットの小説を読んで面白いという感覚を持つことがあるのだろうか?