お勧めの一冊
★★★☆☆
論語や十八史略等の中国古典から、いい言葉を引用して、人生や仕事に活かしたか、どう活かすべきかを語っていたためになる本です。私自身も、「孫子の兵法」を読んで、バイブルとしていますが、北尾さんも同じように中国古典を活用されていて、少し共有できたことが嬉しかっです。いろいろな難しい言葉が引用されていたので、詳しくは本をみてほしいのですが、1つ簡単なものをご紹介します。
−君子は義に喩(さと)り、小人は利に喩る 「論語」より
どういう意味かというと、「君子にとっては、自分の行動が義にかなっているかどうかが第一であり、小人の考えることは、まず損益である」ということらしいです。仕事上、共感できる言葉です。メモっておきました。
もうひとつは、直接この本の主旨とは違うところで、私はいいものを発見しました。北尾さん流の面接の仕方です。
学生の採用面接の際に、グループ面談の形式をとり、各自にいろいろな質問をまずします。ここまではよくあるやり方ですが、次に、
「自分以外の誰の答えがどういう点で一番印象に残ったか?」
を各自に答えさせるというものです。
相手の話を聞きながら自分の考えをまとめ、相手にわかりやすく伝えるには最適なのようです。これは目から鱗です。
東洋的な成功哲学
★★★★☆
著者はSBIホールディングス代表取締役CEOと紹介するよりも,ライブドアがニッポン放送を買収しようとしていた時,白馬の騎士として現れた人といった方が分かりやすいであろう.
本書では著者がこれまでに学んできた『論語』をはじめとする中国古典を経営者としての視点から分かりやすく解説している.『何のために働くのか』も,中国古典からの引用が多かったが,本書でも同様の構成となっている.人の営みは,昔も今も変わらないとよく言われるが,著者の紹介している中国古典の引用を見る限り,その印象が強くなる.そのため,悠久の歴史の中で生き残ってきた良質の中国古典は,人生を生きる上で,また仕事を行う上で,その指針となることが非常に多い.これは著者が『論語』は,孔子が人生を賭けて体得した不易・不変の哲理であり,いつの世でも通用する「人間,いかに生きるべきか」に答える実学,活学ではないかと言うことと相通じるものがある.
日本人には,いま流行りの引き寄せの法則に代表される西洋的な成功哲学より,中国古典を基本とした東洋的な成功哲学の方が,性に合っているように思う.
ロマン派企業人
★★★★☆
ライブドア事件の時にブラウン管でお見かけしたのが著者を知った最初です。顔つきや野太い声から豪放磊落なイメージを抱きました。この本を読んでも確かにそんな印象です。仕事でストレスを感じたことがないと仰っています。何故か?そこが著者ならではだと思うのですが、「天命だと思う」「命まではとられない」と受け止めるのだそうです。これは至言だと思います。私自身も行き詰った時によく思い浮かべる言葉なのですが、助けを求めてではなくそう信じて行動すれば運が開けるのだと感じ入りました。著者は、非常に攻撃的な性格なのではないかと想像しましたが、そのバランスをとっているものが中国古典の教えなのだと思います。偏る気持ちを中国古典によって中庸を保つことでビジネスの世界で成功してきたのではないかと感想を持ちました。中国古典の理解を深めることは、精神や行動のバランスを養えるのではないかな、と思いました。
昭和の名経営者はどなたも自らの利益追求だけを目的とするのではなく、社会を豊かにすることを経営目的に掲げていました。ロマンがありました。著者は、今の世においてはその雰囲気を持ち合わせている方だと思います。
子供を幸せにしたい親ほど読むべき
★★★★★
以前から北尾氏の言動には非常に興味を持っており、
今回初めて彼の本を読みましたが、
人生を豊かにするための古来からの秘訣そのものです。
もっと早くから中国古典を知っていれば、
人生のあらゆる場面で大きな判断基準の支柱になったと悔やまれる思いすらあります。
北尾氏はこの本は特に若い人ほど読んでほしいと言っております。
これは確かにそのとおりです。早ければ早いほどよいと思います。
私はそれに加えて親が早いうちに読んでおけば、
論語やその他の中国古典にも興味を持つことで、
全うな倫理観というものを子供に教えられると思ったので、
子供を幸せにしたい親ほど読むべきと思いました。
信義仁を貫き世に貢献するということの偉大であること、
それが分かるだけでも他に変えられない価値があります。
中国古典入門にも北尾氏の人柄に触れるにもお勧めしたい
★★★★★
SBIホールディングスCEOの北尾吉孝氏が中国古典から得た「人生の生き方」に対する考え方をまとめた一冊。私は以前に北尾氏の「何のために働くのか」を読み、氏の考え方に共感したことと中国古典に興味を持ったことがあり、本書を手に取った。
北尾氏は幼少の頃から父親の影響で「論語」などの中国古典に強い影響を受けながら生きてきており、氏の生き方の根底に中国古典の考え方が深く根付いていることがわかる。本書では中国古典の詳しい解説がされているわけではないが、北尾氏のこれまでの経験と中国古典の例を引き合いに出して人はどのように生きるべきかを示している。
「何のために働くのか」と同様に非常に読みやすく構成されているので、中国古典入門の足がかりにするにも、北尾氏の人柄に触れるにもお勧めできる一冊である。