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珍世界紀行 ヨーロッパ編―ROADSIDE EUROPE (ちくま文庫)

価格: ¥1,890
カテゴリ: 文庫
ブランド: 筑摩書房
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わりとまじめだ ★★★★★
 「珍日本紀行」の方が、身近な分だけ面白さがあったような気もします。日本版の方は、秘宝館のような貧乏くさい味わいがあったり、意味不明な個人的な陳列があったり、要するに小さいもの貧しいものへの視点が愛嬌となっていた。このヨーロッパ編は、どうしてもでかかったり権威があったりして、その分、温泉とかでエッチな場所を覗くというような味わいに欠けてきます。
 「性愛」の章もあるけど、全体からすれば少ないものです。むしろ見応えがあるのは、「信仰」「暴力」「病理」「アウトサイダー」といったものであり、牧畜文化から現れたと言われる数々の残酷極まりない拷問、奇形標本の圧倒的インパクト、シュヴァルの理想宮やボマルツォの「オルシニ侯の怪物庭園」に代表されるアウトサイダーの執念などに人間性って何だろうと思わされます。
 先に言ったけど、日本版に比して権威的な場所が多いのは、とくに「カタコンベ」の章でしょう。もはや歴史の領域です。他にもドイツにあるフェルクリンゲン製鉄所やナチス時代に作られた観光施設「プローラ」の廃墟群などもそうです。
 ただ個人の味わいがあるところもそれなりに見られます。「バレ家の納屋」や画家ベーコンのアトリエなど。
 本作の中で一等凄みのあるものの一つが、リトアニアの「十字架の丘」でしょう。負の世界遺産に指定されるかも、と思ってしまいます。
怪奇と幻想のヨーロッパカオス蒐集本に酔う ★★★★★
これ、文庫になるのをずっとずっと待ち続けてました(ハードカバーの方はお値段高いですからね〜)。
珍日本紀行も文庫で買ってて、たぶんそのシリーズの流れでいつか文庫化するはず!って思ってましたから、嬉しいです。
ヨーロッパ編、好きですねぇ・・こういう非日常的なものを集めた世界は。
特に常識の目で見ると、何ともおぞましい物体の陳列が、とても美しく、エロティックにすら感じられるものがヨーロッパには多い。
秘宝館のようなこれみよがしなエロも興味をそそられたりしますが、
蝋人形や剥製、奇形非奇形問わずな人体標本にも魅かれますね。

日本のこの手のものって、どうしても場末感や終末感漂う仄暗いインビさを感じるのですが(それはそれでまた好きだったりする)、
ヨーロッパのはどこか残酷さとファンタジックさが同居してる感じがします。
日本とヨーロッパの宗教観の違いなんかも影響してるのかもしれないですが・・。
そうそう行けるもんじゃないですが、イタリア フィレンツェ医学研究所や、フランス パリ大学医学部デルマス・オルフィラ・ルヴィエール博物館、イギリス グラスゴー大学などが収蔵してる標本は、行って実物を拝見してみたいものですし、
動物の剥製を使って色んなジオラマ仕立てにして展示してるイギリスのポッター珍宝館にも行ってみたいですね。
ただの動物じゃなく、色々繋ぎ合せたキメラ剥製を展示してるドイツの珍物博物館もイイ!!
その他、ちょっと残酷な蝋人形館や、様々な珍コレクションを展示してる蒐集館、ヨーロッパ版の秘宝館なども載ってるんですが、これもかなり興味をそそられるな〜

・・なんて、公言したらやっぱり他人からは眉をひそめられるだろうから、この本は自分だけの楽しみにします。