ウェーバーの再検討
★★★★★
古代ユダヤ教論に即して、西洋合理性、脱魔術化の問題を扱う箇所、
ウェーバーの時代診断的な仕事として近代化の諸事象を扱う箇所など、
ふつう難解になりがちだが姜尚中は、非常に分かりやすく解説をくわえている。
最初の一冊として読むにも進められる良書である。
エアランゲン
★★★★★
1 マックス・ウェーバーの思想と、リッケルト、
フッサール、カール・レヴィットら新カント
の流れをくむ考え方とには、共鳴する部分がある
ことがわかりました。
2 現象学、表象学?
ヴェーバー研究
★★☆☆☆
ヴェーバーの日本に於ける研究を概観するには役立つ書物。
山之内靖氏らの研究を踏まえて従来の日本ヴェーバー研究とは違う
視点を提示する。だがヴェーバーらのアジアへの視点は我田引水の
感が強い。その点で個性の強い書物だといえる。
データは多いのでレポートなどの参考に役立つであろう。
ウエーバーから現代を見る
★★★★★
マックス・ウエーバーと言えば「客観性」論が強調され、その著書も
客観主義を徹底した、著者の価値観が見えないものと誤解されやすい。
ウエーバーは人間が「客観的になどなれる訳がない」ことを前提にし
ていたのである。そのウエーバーは20世紀初頭に資本主義社会の
行き着くところを「鉄の檻」という表現で捉えていた。本書はこの
事実をしっかり踏まえてウエーバーの視点から現在を見るという試み
であり非常に示唆に富む。
併せて山之内靖「マックス・ヴェーバー入門」も勧めたい。