ノルウェー、スバールバル諸島、スピッツベルゲン島 北極海と接するバレンツ海周辺には、およそ3千頭のシロクマが生息しています。その中心となるのがスピッツベルゲン島。リーフデ・フィヨルドから迫り出すようなモナコ氷河に接する海氷の上で、シロクマが狩りの最中です。スバールバル諸島の60%は氷河におおわれており、モナコ氷河は同諸島を探検した海洋学の始祖、モナコ大公アルベール1世の功績をたたえて名づけられました
カナダ、マニトバ州、チャーチル ヒメヤナギラン(ファイヤーウィード)の赤いベッドでひとり戯れる若いオスのシロクマ。秋になると、この小島の近く、ハドソン湾西部のチャーチル川の河口には、千頭近くのシロクマが集まります。淡水が流れ込む影響で、他の地域よりも早く凍結し、早くから狩りができるからです。毎年10・11月になると、数百頭のシロクマがチャーチルの町の近郊に集まり、世界中から多くの観光客が訪れます
カナダ、ハドソン湾西部 スプルース(クロトウヒ)の木の上に登ってご満悦の子グマは日々是好日。巣穴から出たばかりの子グマは母グマからあまり離れませんが、子グマは好奇心が旺盛なので、毎日少しずつ母グマとの距離を広げていくのです。授乳後にひと眠りすると、遊び回ります。でも、それも今のうち。そろそろ海の氷の世界へ向けて旅立つ時期です。猛烈な地吹雪の中での移動や過酷な狩りの修行が始まろうとしています
カナダ、マニトバ州、チャーチル ハドソン湾に面するチャーチルの町で、シロクマが犬に親しげに頬を寄せています。カナディアン・エスキモー・ドッグの繁殖場です。この犬種は1970年代に200頭しかいなくなり、絶滅寸前になりましたが、現在は350頭以上にまで増え、世界各国の犬ぞりレースでも活躍しています。もとは名前の通りイヌイットの猟犬です。このカナディアン・エスキモー・ドッグ・ファウンデーションでも、イヌイットに託された3頭を大切に育て、今では100頭以上が飼育されているそうです。がっしりした体躯の猟犬ですが、大変な甘え上手でもあるので、そんなところがシロクマと気が合うのでしょうか
カナダ、マニトバ州、チャーチル フェンス越しにお互いを確かめ合うシロクマとヒト。シロクマは鼻を相手に近づけて154頁のように犬とご挨拶できるだけでなく、ヒトともご挨拶できるようです。森で葉が1枚落ちると、それを見なくても、落ちる音が聞こえなくても、臭いで分かると言い伝えられるクマの臭覚。臭いだけで、ヒトが決して知ることがない、たくさんのことが分かるのでしょう。それにしても勇気のある行動ですが、マネをするのはおやめください。「シロクマの首都」を宣言するチャーチルの町でのヒトコマでした