民族と国家 (文春文庫)
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今世紀最大の火種を解き明かす
二十一世紀最大の火種となる「民族問題」。イスラム研究の第一人者が二十世紀までの紛争を総ざらえ。新時代を生きる現代人の必読書。解説・佐藤優
【目次】
第一章 イメージとしての民族と国家 ―レコンキスタから冷戦終結まで―
1 湾岸戦争とボスニア=ヘルツェゴヴィナ内戦
2 神話・象徴複合としての民族
3 二つのナショナリズム
第二章 イスラム史のなかの民族 ―ムスリムと啓典の民―
1 イスラムにおける民族の系譜
2 レンズを通して見た非イスラム世界
3 ムスリム・キリスト教徒・ユダヤ教徒
4 中東とヨーロッパのキリスト教
第三章 パクス・オットマニカ ―ミッレト制による「諸民族の平和」―
1 オスマン帝国とアラブ独立王朝
2 ボスニア=ヘルツェゴヴィナのイスラム化
3 イスラム国家とヨーロッパ
4 多民族と平和共存
第四章 愛国心か、ナショナリズムか ―ムスリムの見た外国と異民族―
1 ヨーロッパの中のイスラム
2 国名のない国家
3 フランス革命とオスマン帝国
第五章 ムハンマド対マルクス ―資本主義・労働運動・民族問題―
1 クウェートとサウジアラビアの原型
2 「アラブ国家」か、エジプト国家か
3 民族問題と経済問題
4 民族モザイクの変容
5 バルカンの労働運動とアナトリアのアルメニア問題
第六章 「高貴な民」の目覚め ―アラブ人とトルコ人―
1 ミッレトから民族へ
2 「高貴な民」としてのアラブ
3 イスラムから生まれたアラブ意識
4 預言者の正系とアラビアのロレンス
5 中央集権化 対 地方分権化
第七章 イスラム帝国の終演 ―国民国家に向かって―
1 植民地分割か、国民国家の成立か
2 エジプト・ナショナリズムの開花
3 ムスリムからつくられたトルコ人
4 イスラムと複合アイデンティティ
5 ユーゴスラヴィアの「ムスリム人」
終章 民族と国家のリアリズム ―構想と神話―
補論 新しい中東の分割と断層線 ―「境界の破枠」と新バルフォア宣言―
解説 佐藤優