レトロハッカーズ第23巻。
人類は知恵をもったと同時にアバカスという“計算機”を発明した。それ以来、人類は、そろばん、計算尺、コンピューターという“計算機”を使い続けてきた。計算機の発達には、歯車や真空管などの製作技術も必要だったが、それ以上に重要だったのが、計算手法の開発だった。その中でも、ネーピアの対数の発明は、速算術として天文学や天測航法に大きな影響を与えた。ネーピア、そしてパスカルの作成した機械式計算機を中心に、アバカス以来の５０００年にわたる計算機をめぐる旅。図版55点収録。

目次
アバカスからそろばんへ
複雑な通貨体系にも対応していたそろばん
指を使ってできるかけ算
上流階級では計算道具が大流行
航海術と天文学と三角比
足し算でかけ算をするティコ・ブラーエの天文台
驚くべき対数の法則の記述
だれでも使える常用対数の誕生
対数から生まれた計算尺
ネーピアの骨から生まれた世界初の機械式計算機
パスカルがつくった機械式計算機——パスカリーヌ
早熟の天才だったブレーズ・パスカル
引き算を可能にしたパスカルの“逆転”の発想
“計算機”は先人の知恵がつまっているタイムカプセル