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右門捕物帖(全38編)+旗本退屈男(全11編)+他(4作品)

価格: ¥0
カテゴリ: Kindle版
ブランド: サキ出版
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本書は、青空文庫より以下を収録しています。
 ◆右門捕物帖(全38編)
 ◆旗本退屈男(全11編)
 ◆十万石の怪談
 ◆山県有朋の靴
 ◆流行暗殺節
 ◆老中の眼鏡
 ※新字新仮名
 ※縦書き
 ※目次付き
 ※kindle端末移動メニュー目次:2階層表示対応


著者について
 佐々木 味津三(ささき みつぞう、明治29年(1896年)3月18日 - 昭和9年(1934年)2月6日)は、
日本の小説家。佐佐木 味津三と表記される事もある。

来歴・人物
 愛知県北設楽郡下津具村(現・設楽町)出身。本名・光三。
 旧制愛知一中(現:愛知県立旭丘高等学校)を中退した後、明治大学政経科を卒業。雑誌記者の
かたわら小説を書き、1919年『大観』に載せた「馬を殴り殺した少年」で菊池寛に見出される。文壇
に姿を現した当初は純文学を志していたものの、父親が遺した借金の為に経済的環境が厳しく、長兄
を早くに亡くした事で家族を養い、また家の負債を返す必要が生じたために大衆小説に転向。当時は
格下と言われていた大衆向け小説を書くことに抵抗を感じたが、芥川龍之介から激励を受け感激し、
そのことが後々まで影響したと自著に記している。
 『右門捕物帖』『旗本退屈男』など主に江戸時代を舞台にした時代小説を発表し、その当時の花形
作家となる。
 しかし、自らの体力を削って無理な執筆を重ね、それが為に健康を害してしまい、若くしてこの世
を去った。その死は、現在でいうところの過労死であると言われている。37歳没。 また、小説家とし
て成功した後は弟や妹一家を東京に呼び寄せ、家計の面倒も見たという。
 佐々木の代名詞ともなった作品『旗本退屈男』は、昭和5年にこれを読んだ市川右太衛門が気に入っ
て映画化。以後右太衛門の主演代表作となり、計31本の大ヒットシリーズとなった。以来、現在に至る
まで度々映画やテレビドラマ化され高い人気を得ている。

佐々木と『右門捕物帖』
 佐々木の『右門捕物帖』は、嵐寛寿郎と山中貞雄によって「和製シャルロック・ホルムス」と銘打ち、
『むっつり右門』シリーズとして映画連作された。主人公の「むっつり右門」というあだ名、バスター
・キートンを手本にした無口なキャラクター、人差し指を立ててアゴに手を持っていく癖、これらはすべ
てアラカンが創作したものである。
 また登場人物の「あば敬(アバタの敬四郎)」、「ちょんぎれの松」も、アラカンや山中が創ったもの
で、映画に合わせて佐々木が原作小説に逆輸入したキャラクターである。「あば敬」の「村上」という姓
も、映画でこれを演じた尾上紋弥の本名が「村上」だったことに因んでアラカンが思いつきでつけた。「
ちょんぎれの松」の「ちょんぎれ」も、山中の口癖から採ったものだった。
 『右門捕物帖』の設定は、このように嵐寛寿郎プロダクションで先行して創作され、佐々木の原作に採
り入れられていったのだが、当の佐々木は怒りもせず、「こんどの映画どうなる?」とアラカンに聞いてき
て、あべこべに映画の内容を小説のネタにしていた。アラカンは「相互扶助や」と笑っている[1]
脚注
[1] 『聞書アラカン一代 - 鞍馬天狗のおじさんは』(竹中労、白川書院)
   ~ウィキペディアより

右門捕物帖
 『右門捕物帖』(うもんとりものちょう)は、佐々木味津三の時代小説。また、これを原作とする映画、
テレビ時代劇。
 主人公は同心の近藤右門。無口であることから「むっつり右門」の異名をもつ。岡っ引きの伝六を伴い、
数々の難事件を解決してゆく。
   ~ウィキペディアより

旗本退屈男
 旗本退屈男(はたもとたいくつおとこ)は、小説家・佐々木味津三原作の時代小説および同作品に
登場する主人公・早乙女主水之介(さおとめもんどのすけ)の異名。

概要
 直参旗本・早乙女主水之介を主人公とする痛快時代小説。昭和4年(1929年)4月の「文芸倶楽部」
に初登場し、以後11作が発表された。またサイレント時代から昭和中期まで30本映画化され、テレビ
ドラマとしても何度もリメイクされている。

主人公の概要
 姓は早乙女、名乗りは主水之介で、人呼んで旗本退屈男。数え33歳。元禄時代に活躍した徳川将軍家
の直参旗本で、無役ながら1200石の大身。本所割下水の屋敷に住む。独身で家族は妹の菊路。他に使用
人が7名同居。身長五尺六寸(約170cm)というから当時としては容貌魁偉な大男だった。剣術の達人で
諸羽流青眼崩し」(もろはりゅう せいがん くずし)という無敵の技を習得している。その他にも武芸
十八般に通じ、軍学にも明るい。しかし太平の元禄の世にあっては腕を振るう機会に恵まれず、口癖の
ように「退屈で仕方ない」と公言している。
 外出時は黒羽二重の着流し、蝋色鞘の平安城相模守を落差し、素足に雪駄履き、深編笠がお馴染みの
出で立ち[1]
 清廉潔白な性格で、権力の腐敗を憎み、相手が将軍でも直言を厭わない。一方で下々には慈悲深く、
庶民とも気さくに交わるため、江戸っ子からは「退屈の殿様」と呼ばれ親しまれている。
 トレードマーク額に受けた三日月型の「天下御免の向こう傷」。これは長州藩の悪侍7人組と斬り
合った時に受けた刀傷。小説では胆力と剣技、そして額の傷を「天下御免」としているが、映画では徳川
将軍より天下御免の御墨付きを受けたという設定。またテレビドラマ版(北大路欣也主演)では、先代の
将軍が次代を決めるにあたって真剣での勝負を催し、綱吉の代理人として立ち会った際に相手の代理人の
片腕と引き替えに受けた傷ということになっている。
脚注
[1] テレビドラマ版では色鮮やかな着流しを着ることが多く、側用人の笹尾喜内も主水之介のことを尋ねる際「派手な着物の侍」と表現している。
   ~ウィキペディアより


◆◆ 右門捕物帖 ◆◆
 ●01 南蛮幽霊
 ●02 生首の進物
 ●03 血染めの手形
 ●04 青眉の女
 ●05 笛の秘密
 ●06 なぞの八卦見
 ●07 村正騒動
 ●08 卍のいれずみ
 ●09 達磨を好く遊女
 ●10 耳のない浪人
 ●11 身代わり花嫁
 ●12 毒色のくちびる
 ●13 足のある幽霊
 ●14 曲芸三人娘
 ●15 京人形大尽
 ●16 七化け役者
 ●17 へび使い小町
 ●18 明月一夜騒動
 ●19 袈裟切り太夫
 ●20 千柿の鍔
 ●21 妻恋坂の怪
 ●22 因縁の女夫雛
 ●23 幽霊水
 ●24 のろいのわら人形
 ●25 卒塔婆を祭った米びつ
 ●26 七七の橙
 ●27 献上博多人形
 ●28 お蘭しごきの秘密
 ●29 開運女人地蔵
 ●30 闇男
 ●31 毒を抱く女
 ●32 朱彫りの花嫁
 ●33 死人ぶろ
 ●34 首つり五人男
 ●35 左刺しの匕首
 ●36 子持ちすずり
 ●37 血の降るへや
 ●38 やまがら美人影絵

◆◆ 旗本退屈男 ◆◆
 ●01 旗本退屈男
 ●02 続旗本退屈男
 ●03 後の旗本退屈男
 ●04 京へ上った退屈男
 ●05 三河に現れた退屈男
 ●06 身延に現れた退屈男
 ●07 仙台に現れた退屈男
 ●08 日光に現れた退屈男
 ●09 江戸に帰った退屈男
 ●10 幽霊を買った退屈男
 ●11 千代田城へ乗り込んだ退屈男

◆◆ 十万石の怪談 ◆◆
本文より
 燐の火だ!
 さながらに青白く燃えている燐の火を思わすような月光である。──書院の障子いちめんにその月光が青白くさんさんとふりそそいで、ぞおっと襟首が寒む気立つような夜だった。
・・・

◆◆ 山県有朋の靴 ◆◆
本文より
「平七。──これよ、平七平七」
「…………」
「耳が遠いな。平七はどこじゃ。平はおらんか!」
「へえへえ。平はこっちにおりますんで、只今、お靴を磨いておりますんで」
・・・

◆◆ 山県有朋の靴 ◆◆
本文より
「足音が高いぞ。気付かれてはならん。早くかくれろっ」
 突然、鋭い声があがったかと思うと一緒に、バラバラと黒い影が塀ぎわに平みついた。
・・・

◆◆ 老中の眼鏡 ◆◆
本文より
 ゆらりとひと揺れ大きく灯ざしが揺れたかと見るまに、突然パッと灯りが消えた。奇怪な消え方である。
「……?」
・・・