少年法の本としてはめずらしく「色」のないお勧め本
★★★★☆
少年法という分野は、刑事訴訟法学と並んで学者の政治的な思想が現れやすい分野である。そのため、客観的な観点から学ぶのに適切なテキストは意外と少ない。なにしろ、大御所は反権力の代表みたいな人だし、そうでない人は、元家裁裁判官や法務省などの役人である。気づかぬうちに「洗脳」されていそうな分野なのである。このような状況のなかにあって、本書は「色」のでていない珍しい本である。しかも、条文をおって解説しているのでなく、全体像を視野に入れながら、現代の青少年の状況もふまえながら、法律全体をわかりやすく理解させようというスタンスで構成されていて好感がもてる。お勧めの一冊である。