加盟前に読む失敗しないコンビニのはじめ方
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コンビニは、現代社会において、なくてはならない存在となっております。
私も数年前まで、コンビニのFC本部で店舗開発(リクルート・フィールド・カウンセラーとも言います)という仕事をしながら、コンビニの進化する姿を現場で見ていました。そして今は、一消費者としてコンビニを利用し、サービスの多様化や新しいサービス・商品に驚いています。
そんな元店舗開発担当者の目線からコンビニを見ていると考えさせられる事があります。開店する店舗も多いけど、開店から2・3年で閉店する店舗も多いなと思います。閉店した店舗を経営されていたオーナーや店長はどうされたのか、心配もします。
2・3年で閉店するということは、思うような売上が上がらなかった事以外考えられません。仮にオーナーや店長が病気で店に立てなくなっても、売上が上がっていれば、誰かを雇って経営を続けることが出来ます。また、止む無く、オーナーや店長が10年15年のFC契約を途中で解約する事態となっても、FC本部としては、オーナーや店長を交替して経営は続けるものです。
2・3年で閉店するコンビニは売上が上がらず、今後も上がる見込みがないので、赤字を垂れ流すよりは、閉店した方がいいと本部が判断したと思っていいでしょう。
土地から造成し、店舗を建築、給排水工事や車の進入経路を確保する工事など行っていれば、4千万円ぐらい、いや、もっと高い金額を投資しているかもしれません。
一消費者としては、「コンビニ、無くなっちゃたね」と一言あるかないかぐらいの話であまり気にするような話ではありません。しかし、その店舗を経営していた人は人生をかけて、お金と時間を投資し、挑戦していた方が多いのではないでしょうか? 再起できるぐらい資金をお持ちの方ならいいですが、そうでない方は、その後どうした事でしょう。夫婦、親子など家族の仲は、開店前と同じようにやっていけているでしょうか? 不仲になったり離散したりしていなければと願います。
店舗開発の仕事を辞めた今でも、閉店した店舗後を見れば、そのように想像してしまいます。何回も通って店長の顔を覚えていたなら、その方のお顔を思い起こし、どこかでちゃんと働けているだろうかと考えたりします。
思い出せば、私がやっていた店舗開発という仕事は、その店、その家族の将来まで左右し、売上が上がって儲かれば感謝されます。逆に、思うような売上が上がらなければ、その後の人生を台無しにするかもしれません。
さて、コンビニが成功するかどうか、何が一番カギを握ると思いますか?
多くの人が思っているように、立地の良し悪しで決まります。売上を決める要因の7割から8割は立地であり、その後に、商品力があり、接客態度というように順位付けされる事でしょう。
コンビニの基本4原則 ➀フレンドリー ➁クレンリネス ③品揃え ④鮮度管理なども重要ですが、それってお客さんが来てくれる事が前提です。4原則だけやっていて売上が上がるような夢のような話があるでしょうか?
そんな店舗開発は、大切な仕事ですが、実際はどうだったか、反省する事も多いです。
売上予測金額を計算するために、いろいろな数値、情報を調査し、項目を埋めていきます。項目数は100を超えています。調査は、自治体で入手するもの、現地の物件や、周辺を歩いて調査するもの。また、朝、昼、晩と、物件の近くで通行する車、自転車、歩行者の数をカウントした数字などなど。
数字は嘘をつかない、と言います。しかし、数字だけで、店舗を開店までもっていくとすれば、年間それほど多くの店舗を開店することは不可能でしょう。そこに人間の‘勘’や‘経験’も加味されて出店が決められていたこともあります。
その‘勘’や‘経験’が閉店に至る原因であるとわかっています。しかし、繰り返し起こるのは仕方ない一面もあり、その一面を知っていただき、加盟を希望される方の参考になればと思い、この本を書きました。
―――――――【目次】――――――
まえがき
第一章 コンビニの成功と失敗のカギは立地だ
第一節 独立心をくすぐる本部、加盟は急ぐな!
第二節 売上の7割は立地の良し悪しで決まる
第三節 店舗開発の仕事と禁断の立地調査項目
第四節 店舗開発ウラの裏 法律よりも売上優先
第二章 立地が違うと店の特徴も違ってくる
第一節 狭い店舗は覚悟して始めよ
第二節 駐車場の無い店舗はこのスペースが売上を左右する
第三節 ロードサイドは交通量が多いだけでは売れない
第四節 大学の近くは売れない?
第五節 住宅街の店舗に向いている店長の性格
第三章 コンビニ本部を疑え
第一節 こんなオーナーは本部のカモネギだ
第二節 ●月最後の1週間での開店予定は警戒、敬遠せよ
第三節 店舗開発者も所詮サラリーマン
第四節 複数店経営が成功とは限らない
第四章 いい立地を勝ち取るための本部交渉の傾向と対策
第一節 本部が求めるオーナー・店長像
第二節 説明会参加と基本ポイント
第三節 個別面談は他の加盟希望者に差をつける場
第四節 競合店調査・売上金額はこの数でわかる
第五節 決断と最終面談のポイント
第五章 クイズ
ロードサイドのコンビニ、条件が違うのは次の1ヶ所だけ、売上が高いのはどっち?
◆第一問
カーブの内側にあるコンビニと、外側にあるコンビニ
◆第二問
オフィス街への道路、売れる車線はどちら
◆第三問
信号機のある交差点の角地、交差点手前の角地、それとも、交差点を過ぎた角地
◆第四問
店舗前の道路沿いに街路樹、イチョウの木とクスノキ、どっち
◆第五問
制限速度40kmの道路と、制限速度60kmの道路、どっち
◆第六問
すき家とガストにはさまれたセブンイレブンと、マクドナルドとサイゼリヤにはさまれたセブンイレブン、どっち
◆第七問
通行する車両の割合が、普通車90%トラック10%の道路と、普通車70%トラック30%の道路、どっち
◆第八問
来店の交通手段が、50%が車、50%が徒歩・自転車の割合と、80%が車・20%が徒歩・自転車の割合、どっち
あとがき