「経営企画ってどういう仕事なんだろう？」

企業で働くビジネスパーソンの方でも、この問いにすぐに応えられる人は案外少ないのではないでしょうか？経営企画の人と一緒に仕事をしたことがなく、どことなく近寄り難い雰囲気があると感じる方もいるかもしれません。

そんな、世にあまり知られていない「経営企画」という仕事にスポットライトを当てて紹介しようというのがこの本の趣旨です。

筆者である私は、30代の前半から後半にかけての約7年間にわたって、ある大手メーカーの経営企画の仕事に携わり、マネージャーとして部下のスタッフを育てることも経験しました。仕事の中にはM&A案件などの「やや目立つ仕事」もありましたが、それは経営企画の仕事の全体像のごく一部でしかなく、その他多くの時間を「経営の足場固め」という比較的地味な、しかし今から思えば非常に重要な仕事に割いてきました。

この本では経営企画の仕事を網羅的に紹介しているわけではありません。巷には経営企画の仕事を紹介する本もありますので、全体像の紹介はそちらに譲りたいと思います。一方で心がけたのは、経営企画部門のマネージャーとして感じた「経営に関わる仕事」の生の雰囲気、そしてその面白さをなるべく手触り感を持って伝えることです。

この本を手にした一人でも多くのビジネスパーソンの方が、経営企画の仕事に対する理解を深め、ご自身の仕事においても経営企画の人たちを是非味方につけていただければと思います。あるいは、若手のビジネスパーソンの方に経営企画の仕事に興味を持っていただき、是非自分でもチャレンジしてみようと思っていいただけけるならこれ以上の喜びはありません。