トライアングル(蜜百合文庫)
価格: ¥0
大学を卒業して事務職に就いた美樹だが、思うように仕事を進めることができず落ち込んでいた。ある日の仕事帰り、立て看板に『あなたに癒しのひとときを』と書かれたバーを見つける。吸い寄せられるようにバー・トライアングルへ入る美樹。そこには色気たっぷりのオーナーと、若く可愛らしい女性客がいた。美樹はすぐに彼女たちと打ち解け、気分よく酒を飲み進める。しかし気がつけば、どうしてかだれかの胸に顔をうずめていて――!?
スキマ時間に気軽に読んで、淫らな気分に浸れる官能ストーリー『蜜百合文庫』。
読了時間は目安ですが約20分です。男性はまったく登場しないことが多いです。もし出てきたとしてもほとんど絡みません。
女性たちの甘く官能的な戯れを描くことが大好きなガールズラブ小説作家『水無月はな』がお届けいたします☆
★序章お試し読み
――そこに顔をうずめるのがこんなにも気持ちいいなんて、知らなかった。
「ん、んんっ……!」
柔らかく大きな、ふたつのふくらみ。息苦しさも少なからずある。けれどそれよりも、なめらかな肌が頬に触れる心地よさのほうが勝る。
後頭部は彼女の両手に押さえつけられているから、顔を上げることはできない。
(どうしてこんなことになってるんだっけ……)
ああ、そうだ。「気持ちいいことをしましょう」と言われて、それから――。
「……んっ!?」
脚の付け根でモゾッ、となにかが動いた。
スカートをめくり上げられたのが、感覚でわかる。
「ん、だめ……ンンッ!」
そうして呼びかけても、下半身をまさぐる『なにか』は動きを止めない。
ショーツ越しに、小さな豆粒を的確に押しているのは手の指かあるいは足先か。下を見ることができないのでわからない。
「だめ……ぁう、だめぇっ……!!」
なんとかして発した拒絶の言葉は、豊満な胸に顔をうずめているせいでくぐもった声になる。
「やぁあ――……!」
――暖かな春の宵。
女性たちはその身をさらして無防備になる。