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バタフライ~可憐なお嬢さまと不埒なメイド~(蜜百合文庫)

価格: ¥0
カテゴリ: Kindle版
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「いいわよ……。もっとさわっても。さわりたいのでしょう?」
メイドの愛衣は皇財閥の一人娘である蝶子の世話係として何年も彼女に仕えてきた。蝶子が二十歳を迎えた誕生パーティーの夜、疲れ切って泥酔した彼女を着替えさせようとした愛衣だが、蝶子の艶っぽく赤みを帯びた透けるような白い肌を前にして、長年、心の奥底に抱いてきた不埒な感情を抑えきれなくなってしまい――!?
可憐なお嬢さまと不埒なメイドの主従ガールズラブ!!

スキマ時間に気軽に読んで、淫らな気分に浸れる官能ストーリー『蜜百合文庫』。
読了時間は目安ですが約20分です。男性はまったく登場しないことが多いです。もし出てきたとしてもほとんど絡みません。

女性たちの甘く官能的な戯れを描くことが大好きなガールズラブ小説作家『水無月はな』がお届けいたします☆


★序章お試し読み

 彼女の肌が透けるように白いのは、どこへ行くにも日傘をさしていたから。
 幼いころ、その傘を支えていたのは私の母。
 母の亡きあとは、私。
 私はいつまでも、彼女に傘をさし続ける。

 その日は蝶子の二十歳の誕生日だった。
 邸では皇財閥に連なる親類が一堂に会して蝶子の成人を祝った。
 メイド服に身を包んだ高藤愛衣は誕生パーティーのときも、いつものように蝶子についてまわり彼女を世話した。
 皇邸の大広間はいつにも増して人であふれかえっている。大きなシャンデリアが天井から吊り下がる広間には無数の円卓が置かれ、ブッフェ形式で料理が振る舞われた。
 ワインやシャンパンなどの飲み物は、ほかのメイドがトレイに載せて配り歩いている。
(お嬢さま……ずいぶんとお酒を飲まれている)
 古くから名家として名高い皇家はとても厳格だ。飲酒は二十歳になるまで決して許されなかったものだから、ようやく成人した蝶子はここぞとばかりにいろいろな種類の酒を飲み漁っている。
 彼女の白い肌がしだいに赤みを帯びてきて、いまはもう耳まで朱に染まってしまった。
(まぁ、もうすぐお開きの時間だし……)
 せっかくいい気分で酒を飲んでいる彼女に、「もうそのへんでお止めになったほうが」などと水をさすのは気が引ける。
 愛衣は蝶子がふらついて転んでしまわぬよう気を配りながら彼女に付き添った。
 パーティーが終わり、ゲストが帰っていくと蝶子はへなへなとその場に崩れ落ちた。
「お嬢さま!?」
 愛衣はあわてて膝を折り、蝶子の体を支える。
「とても……疲れたわ……。それに、顔が熱い……」
 か細い声でそう言う蝶子を愛衣は懸命にいたわる。
「お嬢さま、たいへんお疲れ様でした。さあ、お部屋へ戻りましょう」
「ええ……」


★既刊ご案内
・トライアングル(蜜百合文庫)¥99 Kindle Unlimited対象作品【読了時間目安:約20分】
 新人OLの美樹が会社帰りに立ち寄った『バー・トライアングル』にはグラマーなミストレスと、童顔のかわいらしい常連客がいて……!?