クロウリーのトート・タロットを使いこなすには、クロウリー本人の『トートの書』は必読ではあるけれども、実際に瞑想やリーディングの手引き書としては取っつきにくく、魔術的カバラーは勿論、占星学や易、タントラ、エジプト神話をはじめとしたオカルティズムに精通していないと理解が難しい。

　その点、本書は実践的な使用の副読本として、タロットや魔術のある程度の基礎知識があれば、すぐにもリーディングの副読本として使用できる体裁は持っている。

　ただし、その使用方法とカード解釈はカレント・ライフ・リーディングという、筆者独特のメソッドに特化しており、オショー（バグワン・シュリ・ラジニーシ）の秘教的思想のプロテクトがかかっているので、あくまでも『トートの書』と、その他のクロウリーの著作、ゴールデン・ドーンの秘教体系などをある程度は抑えた上での副読本として使用するのが最良であろうと思われる。

　どちらにしても、トート・タロットはライダー・ウェイト系列のタロットと比べると、日本語で読める文献が極めて限られており、そうした意味では貴重な一冊であり、実占であれ瞑想であれ、トート・タロットの使用者にとっては貴重な一冊と言える。ただし、クロウリーの著作とゴールデン・ドーンの秘教体系とタロット解釈については自分なりに押さえておく事。それが大前提。この一冊だけでトート・タロットを扱うのはあまり勧められない。

　本書に挿画としてつけられているトート・タロットの画像はモノクロ印刷なので、読むにあたっては必ずフルカラーのカードそのものを手元に置いて読む事をお勧めする。

トートタロットを使いこなしたいと思いつつ、
なかなか取りかかれなかった私にとって、
この本は非常に良いガイド本となりました。
トートのガイド本としては、やはりクロウリーの『トートの書』で、
これは必ず目を通しておかなければなりませんが、
こちらの本はその前準備として読んでおくと良いのではないでしょうか。
ただ、この著者はラジニーシ・オショー関連の方のようなので
そのあたりの、宗教的概念等に、アレルギーがあるかたは
その点を考慮にいれて、読まれることをおすすめします。
しかしそれを差し引いても、良書であることは確かです。
ちなみに普通のタロットに応用のできる内容ではありますが、
まったくのタロット初心者の方よりは
ある程度タロットに親しまれた方向けかも知れません。
ただの占いツール以上の、使いこなしも身に付くと思います。