かけがえのないあなた
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かけがえのない家族の、内なる秘密と闇に飲み込まれてゆく女性達の姿を精密な筆致で描く。
家族の不穏な行動、隠された秘密に対峙した「私」は、どんな選択をするのか。
悲しい。怖い。せつない。そして前を向いて歩き出す力をもらえる…様々な結末を迎える「私」の物語。
※第10回「このミステリーがすごい!」大賞隠し玉『Sのための覚え書き かごめ荘連続殺人事件』(宝島社)でデビューした著者の初のミステリー短編集です。
●父の法要に現れなかった妹。そしてその夜、「私」はいつも冷静な母の異様な行動を目にする(「鼠の家」)
●実家を出て東京で一人暮らしをしている「私」は、妹と妹の婚約者に、ある疑念を抱いていた(「ひずんだ鏡」)
●孫から助けを求められた「私」は、一緒に暮らす娘の目を盗んで大金を振り込もうとするが……(「柔らかな背」)
●大切な一人娘が、裏山に出かけたまま帰らなかった。「私」は無事を信じながらも、半年前の事件を思い起こす(「裏山」)
●姉のマンションに居候する「私」は、姉にはどうしても言えない秘密を抱えていた(「朽ちない花」)
●夫の暴力に耐えかねた「私」は友人の山荘の管理人となる。だが静かな生活に突然《災厄》が訪れた(「虚ろの檻」)
●中学生の「私」は、ある変わった少女と友達になる。しかし彼女のついたおかしな嘘に巻き込まれ……(「嘘つきと犬」)
●農家の嫁となった「私」は、特別な扱いを受ける美しい兄嫁に言い知れぬ違和感を覚えていた。そしてついに事件が……(「三年目の帰還」)
以上の八編を収録。