電子回路の基礎 II (FET増幅回路,復調回路,低周波増幅回路)改訂版
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本書は「ラジオノート」シリーズの第4 , 5, 6章をまとめたものです.既刊の電子回路の基礎I(同調回路,高周波増幅回路)の続きです.
本書の目次は以下の通りです.4章ではラジオの高周波増幅回路にFETを用いた回路の製作例と理論を解説しています.5章ではAMラジオの復調回路について,6章では音声信号の増幅回路の製作例を紹介し,理論を解説しています.製作例は,ブレッドボードを用いることで半田ごてを使い慣れない初心者にも組み立てやすいものを紹介しています.また,原理の解説では,途中を省略することなく理論式を導出して,さらに,実際のラジオの具体的数値と対応づけています.
第4章 FETラジオ
4.1 FET高周波増幅回路
4.2 FETソースフォロワ回路+2SC1815の高周波増幅回路
4.3 FET高周波増幅回路+2SC1815高周波増幅回路
第5章 復調回路
5.1 組み立て
5.2 理論
5.3 倍電圧検波回路
第6章 低周波増幅回路
6.1 組み立て
6.2 理論: 直流特性
6.3 理論: 小信号等価回路
6.4 推奨ストレートラジオ
本シリーズの狙いは以下の通りです.
(1) 電子回路の初学者の道しるべとなるように,電子回路を実際の回路と対応づけて論じています.
本書は大学・高専の教科書に出てくる電子回路を実際のラジオの回路と対応づけて,その理論と実際を論じています.ラジオは身近にあって,しかも,アナログ電子回路のエッセンスが全て詰まっています.座学で学ぶ電子回路論と具体的なラジオの実験結果との対応づけが,難しい電子回路を学ぶ上での道しるべとなります.
(2) 電子回路を一通り学んだ人がさらに理解できるように,電子回路を深く論じています.
大学や高専の教科書では簡単にしか触れられていなかったり,省略されていたりする電子回路の理論を,本書ではさらに一歩進めて,一歩深めて,導出の過程を省略せずに,ていねいに論じています.本書は,アナログ電子回路を一通り学んだ人が,実はよく分かっていなかったところをなるほどなるほど,と深く理解する助けとなることができます.
本シリーズを読破した読者はアナログ電子回路論を深く理解していることでしょう.
本シリーズの読者からいただいたコメントに
1.それぞれラジオの組み立て編があり写真や立体配線図から実際に作っている気になれた.
2.グラフやオシロ画面がカラーで印象深かった.
3.式の変形過程が省略されずに丁寧に記述されていて分かりやすかった.また,「しっかりついてきて」,「長いけどがんばって」などの言葉で,注意を喚起できた.
4.電子回路の基礎理論と製作例の対応が見事にとれていた.
5.実験値と理論値が、検討を深めていくうちにしだいに合ってきた。
というものがありました.
ラジオノートシリーズは以下のURLにあります.
http://www.mybook-pub-site.sakura.ne.jp/Radio_note/index.html
著者紹介
1985年名古屋大学大学院工学研究科電気系専攻博士後期課程修了
現在 名古屋大学大学院工学研究科教授・工学博士
専門 電気工学,ソフトコンピューティング