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失踪者/カッサンドラ (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 2-2)

価格: ¥3,024
カテゴリ: 単行本
ブランド: 河出書房新社
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危機と自己解放のプリズム ★★★★★
「カッサンドラ」誤解だったとしても後ろを振り向いても自然を美しいと思っても人間が醜いと思っても自分自身の語りは大人の現実を踏まえていて疾走感も昂揚感も天に届きそうな透明感もある 守れたことないとしても繁栄の手ごたえがなくても まぎれもない自分だけの心に万歳し
沸騰する泡のように心象風景が自分自身だけの雄叫びが矢継ぎ早に繰り出される 凶暴が忌まれなかった古代世界を動かす力に乗って
自分自身のやるせなさを よどみなく颯爽と高音で孤独も時代も突き抜ける心の影や闇を悟り 性にも暴力にも自失せず
呪われてもなり下がらず歌い上げていく 冒頭はフランス系文学に近いのかと思って読み進んだが
フランス系女流作家たちが得意とする自意識と想像力の浮き沈みのなかで 憧れ 咲き誇る瞬間も問いつめられる瞬間も錯綜する
闇に騙されず 自分ならではの光であっても他者と対話できる余地があり 生きることの恐怖を読者とともに乗りこえる
狂気との競演 自分らしさの由来と現実との融合が 実人生の不幸を来世(後世)的至芸にまとめ上げるのではない
どちらかと言えば 本書は他者も状況も本質的に一面的にとらえ 現実との接点を探り 殉教的とさえ言えるかも知れない
ドイツ的な禁欲 心の闇も攻撃的すぎないけれど 政治も女心も わたしには なんだか骨組ばかりに思える
カッサンドラは自分が持っているものを台無しにしない理性があり すべてと距離を置き すれ違い 愛憎を叫ばず 義務をこなす優等生
勝気であっても内面を協調に整え 大自然に深呼吸し 悟るカッサンドラ 数多の人格の 人生の危機を他者を理解しつつ
いかに平静で柔軟な内面を保つかという独白文学
フランス系文学では傷だらけの孤独から普遍性にたどり着くが 本書は 極力 孤立をさけ 理性に踏みとどまっている
カッサンドラは良かった ★★★★☆
世界文学全集の1冊。
ともにドイツ語圏の作家。
カフカは昔読んだことがあったが、これは初読。しかし、これはあまり好みではない。このシリーズに入れるのであれば、他にもあるような気がするが...
それよりもヴォルフの『カッサンドラ』の方が面白かった。トロイア戦争を題材にしたもので、預言者カッサンドラのモノローグで占められたこの小説は、元の話を知らない私でも。引き込まれていく魅力のある小説だ。
クリスタヴォルフ ★★★★★
是非クリスタヴォルフの”クリスタ・Tの追想”を再翻訳して欲しいです。