【セブン-イレブンで24時間受取りOK・送料0円!】 著者/訳者名:ロバート・A.ハインライン/著 小尾芙佐/訳 出版社名:早川書房 発行年月:2009年08月 関連キーワード:ナツ エノ トビラ なつ えの とびら、 ハヤカワ シヨボウ ハヤカワシヨボウ 6942 はやかわ しよぼう はやかわしよぼう 6942、 ハヤカワ シヨボウ ハヤカワシヨボウ 6942 はやかわ しよぼう はやかわしよぼう 6942 ぼくが飼っている猫のピートは、冬になるときまって夏への扉を探しはじめる。家にたくさんあるドアのどれかが夏に通じていると信じているのだ。そしてこのぼくもまた、ピートと同じように“夏への扉”を探していた-『アルジャーノンに花束を』の小尾芙佐による新しい翻訳で贈る、永遠の青春小説。
世のなべての猫好きに この本を捧げる
★★★★★
タイトルの文言は旧訳版の冒頭にある謝辞ですが、この新訳は旧訳と比べるとかなりちがった印象に仕上がっています。
大きく変わったのは主人公の印象で、旧訳では主人公がいかにもちゃきちゃきのカウボーイという感じでしたが、新訳ではおとなしめになっている様に思います。なんというか、かなり丸くなってますね。
また、ねこの気持ちがルビ付きで表されているのも新訳の特徴です。例えば、「ナァーウ?(いーまあ)」、「ナァーウ!(すーぐ)」という風にです。旧訳ではルビはなく読者が読み解く様になっていましたが、もし旧訳にルビを振るとしたら「ナァーウ?(今すぐか)」、「ニャアウ!(よし行こう)」といった調子になるのではないかと思います。
新訳本は旧訳を知っているとなかなか馴染めない場合も多いのですが、この本に関してはそういったことはなく、違いを楽しみながら読むことができました。新・旧どちらが良いかと問われると、読み慣れていることもあり私は旧訳が好みですが、やはり旧訳の歯切れの良い会話や独特のテンポは捨てがたいものがあります。
新訳を読んでこの作品のファンになった方は、旧訳も読んでみてはいかがでしょうか。またちがった夏への扉が見つかると思いますよ。
季節は・・・
★★★★☆
あらすじ
舞台は1970年のロサンゼルス。
技術屋のダンは婚約者と親友に裏切られ自棄になり
コールドスリープで2000年にトリップすることを決意する。
だが、その前にあの二人に復讐を、と親友の家に向かうが・・・
夏への扉を探し続ける飼い猫ピートとダンの波乱万丈の物語。
感想
どういうわけかずっと勘違いしていて
家の扉が異世界に通じていて・・・
そんなファンタジーものだと思っていました。
そう思ったままページを開くと
美しいあるエピソード(これがまたぐっとくる)から幕を開け
そこから、自棄になった主人公が
飼い猫と一緒にコールドスリープさせろと
保険会社にどなりこむシーンになって、ちょっとたまげた。
タイプトリップものの名作みたいですね。
さすが読み継がれる作品だけあって凄く面白い。
ダンの無尽蔵なバイタリティに引っ張られ
気づいたときには読み終わっていました。
夏の扉を探し当てたと言うよりは
夏の扉をたぐり寄せたという印象でしょうか。
読み終えて思ったのは、あの頃の人たちにとって
2000年と言うのは特別な存在だったんだ、ということ。
最後に書かれた翻訳者の一言に自問自答してしまいました。
おそらくこ、あの時代だからこそか描けた作品なんでしょう。
読んでからの一言
こんな主人公の思いも、今のご時世だと危険視されるのかな?
初めてのSF小説
★★★★★
今までSF小説など読まなかったのですが、読みやすい。というレビューが多かったのと、私が猫好きということで購入してみました。
正直、内容としてはいろいろとツッコミどころはあるったのですが、話のテンポもよく、あっというまに読み終えてしまいました。
涼宮ハルヒシリーズなどの気楽(ひたしみやすいという意味で)なSFも読まれているかたなら、オチは読めちゃうとおもいますが、
読書の時間を無駄にすごした!とはならず、とても心あたたまるものがあります。
SF入門として、ぜひ涼宮ハルヒの消失とご一緒にご購入ください(笑)
夏への扉、猫への扉、むしろ猫も扉
★★★★★
ジャケットのさわやかさにも惹かれたが、決定的だったのは、帯に書かれていた言葉だった。
明日は、今日より、ずっといい日になる 時をかけるエンターテインメント 新しい翻訳で贈る、すべてのひとびとへの応援歌
冬に「夏への扉」を買う俺って、なんて間抜けなんだろう、と考えもしたが、いや、これは、冬にこそ読むべき作品だ、読了した今は、そう思っている。
仕事上のパートナーにも、婚約者にも裏切られ、挙句の果てには、最愛の雄猫ピートとも離れ離れになってしまう。これのどこが、応援歌なんだ、ずたずたのぼろぼろじゃないか、今日も明日も、ちっとも、よくない。ばか! などと、ぶちまけどころのない怒りにとらわれた。
物語が進むにつれて、私の怒りは収まり、ハッピー・エンドの結末に、胸をなでおろした。
「夏への扉」。別に、<春への扉>でもよさそうなのに、と思ったが、<夏>でなければならないのだ、と思い直した。<夏>の開放感のイメージは、<扉>を押し開けるエネルギーを秘めているから。
うちには飼い猫はいない。けれど、もし、どこかで猫にであったら、あごの下をなでてやろうと思った。間違っても、たたくもんか。「夏への扉」――明るい未来への扉――が開くかどうかは、審判者様の猫が決めるんだから。
「訳者あとがき」にもあるように、ユーモアあふれる文章も、この作品の魅力だ。こんな風に。
ジョンとジェニーのサットン夫妻は、教養もあり、ものに動じず、親切なひとたちで、地震すらもお茶に招きかねない人なつこいひとたちだった。
ちなみに、この本のジャケットをはずしても、表紙も水色なので、さわやかな気分が味わえる。
猫好きにもお薦めの絶対の面白本。初めて読む人は幸せです。
★★★★★
【旧訳版】の本作に出会ったのは、高校生の頃(1970年代後半)。特にSFマニアでは無かったのですが、この作品は夢中になって何度も読みました。
数十年ぶりに、また【新訳版】で本作に触れられて幸せでした。【旧訳版】が手元に無いので比較は出来ませんが、文章がスムースになりずいぶん読みやすくなっているのではと思います。
“若い人”と“いつまでも若い気持ちを持っている人”、そして“猫好きな人”にお薦めします。
訳者の小尾美佐さん、出版社の早川書房さん、ありがとうございます。
★装丁もイラストも綺麗で、価格もお値打ちだと思いました。
《追伸》この本が好きな皆さんは、山下達郎氏の曲「夏への扉」(作詞は吉田美奈子さんで、名盤「ライド・オン・タイム」に収録)のチェックも忘れずに!