ライヴ映像もあわせて見ると、さらに魅力倍増!
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このアルバムの収録曲、ライヴで聴くとまるで感じが違いますよね。
忘れもしない、今から三十年前の大学時代。
発売当日、レコード屋にすっ飛んで行って、このアルバムを手に入れたものの、予想外に音が「ぬるい」
肩すかしをくらった感があったのですが、それからしばらくして行われたジェフのジャパン・ツアーで印象が一変。
こーんないい曲だったのかと、以来、手放せない愛聴盤となりました。
ライヴではジェフのギターがもっと前面に押し出されて、音も格段にヘヴィになります。
耳にも体にも心地よい圧がかかってくる感じの、分厚い音で聴く方が、私自身は好みですね。
ただ、残念なことに、この時代のジェフのライブは、録音があまり残っていないみたいですね。
となると、YouTubeにもアップされてる、ARMSコンサートでのライヴは、今となっては大変貴重なものというわけですが、
中でも、その時演奏された「The Pump」は、私の大のお気に入り。
ジェフのライブ演奏の中でも、飛びぬけて好きなもののひとつです。
中盤以降のジェフのギターのうなり具合は、まさに「むせび泣く」という感じで、本当にこたえられません。
今でもパソコンで見るたび、自分の年も忘れ、「じぇふ〜」と身をよじって、悶絶しております。
最近ジェフ・ベックを聴き始めたばかりという若い方は、是非YouTubeでARMSコンサートを検索して、ライヴ映像も見てくださいね。
このアルバムの魅力が二倍にも三倍にもアップするはずですよ。
フュージョン期の集大成的・大名盤!!!
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1980年、Jeff Beckのアルバムです。
「Blow by Blow」「Wired」は、世間的にも名盤との評価をよく耳にするのですが、
この「There and Back」は、あまり評判を聞かないですし、シンプルなジャケットに地味な印象を持つ人も多いと思います。
が、このアルバムは、はっきり言って、「すんばらしい!!!」です。
Jeffの熱いギター、叙情的なギターが満載、
各曲での質が極めて高く、聴きやすいメロディーが多いです。
また、
G, Key, Drの各楽器の「押し・引き」といったバランス面も、素晴らしいです。
特にLive向けの楽曲が多く、tr. 1,3,4,5,7 etcは、Liveでの重要なレパートリーとなる名曲です。
これまでの、フュージョン期の集大成的なアルバムです。
(Jeffのギターについては、これまでと比較して、特に新しい試みはありません。。。これが名盤として挙げられない理由では?)
演奏は、
Jeff Beck (G), Jan Hammer (Key, Dr), Simon Phillips (Dr), Tony Hymas (Key), Mo Foster (B) です。
「Jeff Beckファン」なら、マストなアルバムです。
「Blow by Blow」「Wired」「Live Wire」が好きな人には、絶対オススメです。
また、先述のとおり聴きやすいアルバムなので、「Jeff Beck初心者」にも、Good!なアルバムだと思います。
「フュージョン系は、あまり聴いたことがない、なじみが無い」という人には、
特に、このアルバムをオススメしたいです。
過渡期的な作品とも言えるが・・・
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80年発表。前半3曲をヤン・ハマー(k)、以降を後の片腕となるトニー・ハイマス(k) が参加するという、メンバー的な意味では過渡期的な作品だが、ベックに過渡期などはないだろう。リズム隊はサイモン・フィリップス(dr)、モ・フォスター(b)となっており、役者としも十分に機能する素晴しいメンバーである。前作からかなりの間隔が空いているのはヤン・ハマー周辺のメンバーとの人間関係の縺れが原因となってベック自身が沈黙してしまったという話が有力だが、本作発表の前にはスタンリー・クラークの作品に客演し、それをきっかけにしてクラークを含むトリオでのツアーなども行なわれている。しかしながら本作に彼の名前が全くないところを見るとやはり人間関係の縺れでアルバムの製作が進まなかったのだろうと思う。ヤン参加の3曲も78年録音のものだし、メンバーの固定に苦しんでの苦肉の策とも思える。だからと言って本作の出来が悪かろうわけもなく、フュージョン路線インスト3部作の最終章としてもなかなか味わい深い仕上がりである。
1.はテクノ的なシーケンスを加えたフュージョン。ベースとベードラの絡みが非常に刺激的であり、全体的にもかなり洗練された仕上がり。文句なしの名曲だ。2.はメロウなフュージョン。非常にメロディアスで美しい曲であり、ヤン・ハマーの代表曲の一つと言えると思う。オクターヴを駆使したシンセ・ベース?のフレーズが印象的であり、こういう曲はベックの作品では極めて珍しいため、この曲だけはぜひとも聞いてもらいたい隠れた逸品。トニーの方の参加曲は、演奏面ではやや地味だが、やはり5.や7.のような名曲を含み、楽曲的な遜色は全くない。とにかく本作は楽曲ありきの仕上がりであり、やや荒々しさにかけるが、メロディアスな曲が多いのが特徴。
REBIRTH
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損しました。実はこのCDが当初出たときに買ってたんです。ところが、”wired”が強烈過ぎて、待った割にはなんともつまらなく感じ、売っ払ってしまいました。でも、あの”ronnie scotts”とのNHKでの運命の出会い、CD/DVDでの出会い、無視していた後期三部作との出会いで、JBeckの再度ファン、とういうか、虜になってしまいました。Jbeckのhomepage checkも欠かせません。ずいぶん気さくにコメント書いてるし。で、もう一度買いました。これ。いいじゃん。すごく。若気の至りとは言え、何故、JBECKの良さが分からなかったのか。損した。でも、今息子と一緒に聞けてるから、まあいいや。
宇宙空間へ誘うような、スペイシーなギターが冴える!
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「ブロウ」「ワイアード」と連なるインスト3部作だが、レビューの数を見てもわかる通り、なぜか過去2作と比べると分が悪く、過少評価のアルバムだ。確かに前作ほどの緊迫感というか、ストイシズムに裏打ちされ、張りつめた密度の濃さみたいなものはなく、ややラフで、勢いに任せたような印象だ。けど、それは別に“緩い”わけでもなんでもなく、ジェフらしさは存分に感じられる。
同じメンツとは3度は組まないジェフの面目躍如か(笑)、腐れ縁になりかかっていたヤン・ハマーとのコラボは(1)〜(3)で途中中断し、(4)以降は、その後ジェフの右腕とも言うべき存在となる、T・ハイマスとのセッションに。またドラムで参加した、若かりし日のS・フィリプスも、(7)を筆頭に、ツー・バス炸裂の高速ドラミングでジェフを焚きつける。結果、S・クラークとの一連の火の出るようなセッションの成果もあり、より自由度を増したジェフのスペイシーなギターが、全編に渡って冴える結果となっているね。それにしてもジェフは、手数の多いドラマーが好きだなぁ…。
CDサイズだと今一つだが、シンプルにしてかっこいいジャケットも新鮮。今でもライブの定番曲も多く、ジェフの作品の中でも、最もロック色が強い、かっこいいアルバムだ!