西尾維新というライトノベルの新生
★★★★★
立命館在学中に大きな賞を受賞した若い才能らしい。この人は巧みに世界を構築し、言葉遊びで読者を愉しませる。まさに「新生」だそうです。
本作品は、そんな西尾維新氏の書き下ろしの三部作をアニメ化したものだそうです。
面白くて3日で見終わった
ライトノベルという世界と、語りの多さ、それと旧仮名遣い、旧字体を画面上で視聴者に「読ませる」つくりは、真新しいと感じました。最近はそういうアニメをちらほら目にしたといえば目にしましたけど。作家さんの世界をアニメとしてリメイクする場合、こういうところに配慮できる監督ってすごいなって妙に関心しちゃいましたね。
怪異の話であり、生き方の話であり、恋愛の話でもあります。こういう話で久しぶりに感動したような気がします。
最初は意味がわからなかったエンディングの意味がわかったときは涙が出そうなくらい感動したな。
少しオタクのエロスを感じるところもありますが、「っぽいよね」という感じで、私は好きです。
待った甲斐がありました・・・と云うか、期待していた以上です!!
★★★★★
つばさキャット(上)に収録されているTV放送版最終回を観た時は、癒えない心の傷の痛みを抱えながらも自分の足でしっかりと歩いてきたひたぎの「強さ」と「切なさ」、そして表現の仕方は極めて不器用というか、恐ろしく過激で攻撃的だけれど彼女という女性の根幹をなす「優しさ」が報われたことが大変うれしかったです。
ひたぎファンだからと言うよりも、二人の衝撃的な出会い(というか遭遇)から始まった第一話からの流れとスペシャルな演出(恋愛モノの幕引きとしても最高到達点の一つだと思います。)に魅了されました。
・・・ここで完結していたら、よく出来た恋愛モノの一つで終わっていたかも知れません。
しかし、・・・というかそこは化物語、一筋縄ではいきませんでした。
原作を未読だった自分は疾風怒濤の急展開に頭をガツーンとやられました。
「痛み」と「苦しみ」もしっかり描かれているからこそ化物語は「傑作」に成り得たのでしょうね。
暦とひたぎ、暦と翼、暦と忍・・・、それぞれの暦に対する想い、そして3人に対する暦の思い・・・。
まさに、「明」と「暗」・・・。
この一言に尽きると思います。
「化物語」・「西尾維新」・「新房昭之」スゲェ!!
こんな言葉しか思いつけない自分のセンスに泣けてきますが、自分なりの賛辞を贈ります。
発売延期に次ぐ延期でも原作を読みたいのを我慢して、アニメ版の完成を待った甲斐がありました・・・(感無量)。
ファン・サポーターの方はぜひ観て下さい、買って下さい。
制作サイドの方、心情的にも金銭的にも応援しています(DVDとドラマCDだけでなく、出来るだけ他のグッズなども購入します)のでぜひ続けて下さい、作って下さい。
2008年春第1弾プロモーション映像について
★★★★☆
本編の内容について不満はありませんし、皆さんが書かれてますので割愛します。
PS3で再生し、HDMIからDVIへの変換コネクタを通してNECのLCD2490WUXiという液晶で表示しているのですが、
特典映像の「2008年春第1弾プロモーション映像」だけ1920x1079という変な解像度で認識されて
液晶側でエラー表示されてしまいます。
これがうちの環境特有の現象なのか、他にも起きてる方がいるのか・・・
「化物語」名義の原作どおりに完結させてくれた良作
★★★★★
TV放送は、最初から第12話(第5巻に収録)までという構想だったとのことで、それ故に、エンディングテーマは、第1話から「化物語」用に再編集された「君の知らない物語」。メインヒロインを戦場ヶ原ひたぎとする限り、第12話は実に美しく感動的なエンディングだった。
だが、原作の「化物語」の「つばさキャット」はこの先があるわけで、第13話〜第15話できっちりと完結させてくれたのは実に良かった。
このアニメ作品のメインヒロインを戦場ヶ原ひたぎとしてすっきり楽しみたい人は、第12話でやめておけばいいわけで、それはその人の勝手。
でも、「つばさキャット」を最後まで観るまでもなく視聴者としては序盤から羽川翼を贔屓したくなってくるし(主人公がモテモテでも鈍感なのは王道という感じではあるが)、原作を読み、「傷物語」→「猫物語」と読んでしまうと尚更である。阿良々木暦がなぜ、羽川翼というものがありながら戦場ヶ原ひたぎとつきあってしまうのか、納得がいかなくなってくる。
思うに、原作の「化物語」上下巻の完結時点と、「傷物語」「猫物語」執筆時点では、作者の構想にも微妙な変化があったりするのではないか?
だって、心は進化するよ、もっともっと♪
「偽物語」ではガハラさんはあまりにもツンドラだし、阿良々木暦の理想の女性は羽川翼らしいので、最終的に彼が羽川を選ぶという展開も十分にあり得るのかもしれない。
「化物語」等のシリーズの読み方としては邪道なのかもしれないが、私は個人的には会話を楽しむことよりもストーリーを重視しているので、今後のシリーズの展開として、羽川翼にとってのハッピーエンドを期待していたりする。
第6巻の本編は、素晴らしい仕上がりであり、これを完成させてくれて本当に良かった。「キャラクターコメンタリー」と「あとがたり」の内容は、やや肩透かし気味だが、これはこれで面白かったので十分満足。
特典だけで終わるのが惜しい…素晴らしいサウンドトラック!
★★★★★
特典について。
化物語の第六巻上下でサウンドトラックは完成する。神前暁のサウンドはとても素晴らしい。サウンドトラックが発売されたら真っ先に買おうと思っていたが、単体での発売予定はなく「完全限定生産版」のみの購入特典となるようなので、第六巻のみ購入してしまった。
出来れば1枚のサウンドトラックCDとして聴いてみたかった。(勿論、聴けるだけ良いのだが、11トラック目に「あとがたり〜」が入っているので曲として続けては聴けない。)
化物語はサウンドが秀逸だと思うので、ディスクメディア連動の特典だけで終わることは惜しい気もする。
本編、およびコメンタリーは相変わらず楽しめました。