語源となった物語を知る
★★★★☆
セレンディピティ(serendipity)は、ホリス・ウォルポールというイギリスの伯爵が子供のころに読んだ物語にちなんで作り出した言葉です。
意味は、「偶然と才気によって、探してもいなかったものを発見すること」。
現代では、科学技術の飛躍的な発展に繋がる大きな発見に関してこの言葉を使うことが多いように思います。
しかし、本書とその解説を読めば、私たちの日常の中にもセレンディピティを発揮できる場面はいたるところにあるように感じられます。
そのためには何事も真摯な態度で取り組み、注意深く観察する心構えを持ち続けること。
初心に帰りたい方におススメです。
“セレンディピティ”とは?
★★★★☆
「セレンディピティ(serendipity)」という言葉をご存知ですか?
手持ちの英和辞典で調べると、「ものをうまく見つけ出す能力、不思議な発見力」となっています。
18世紀のイギリス作家・ウォルポ−ルがこのペルシアの物語を読み、
それがきっかけで「セレンディピティ」という言葉が生まれたそうです。
「むかし、王たちが賢こく、重要な問題を話し合いによって解決していたよき時代のこと、
東方の国セレンディップにジャッフェルという偉大な王がいた。
王には三人の王子がおり、
いずれも同じように品格をそなえ、賢いので、将来を期待されていた。・・・」
こうして物語が始まります。
「セレンディップ」とは、現在のスリランカ(以前はセイロン)の古い名前です。
訳者による解説では、「セレンディピテイ」とは「偶然と才気による予期しない発見」としています。
「セレンディピティ的発見の鍵は、偶然を生かすことができるかどうかで、
それは実験や観察をする人たちの心構えしだいです。
周囲のできごとを注意深く観察し、
それに瞬間的に無心に反応する心がつねに備わっていることが必要(先入観は禁物)。
気づいた偶然を解析する能力と根性をもっていることが十分条件。
科学の分野だけではなく、日常生活に起こりうる。」
いずれにしても、“人生を変えるコトバ”「セレンディピティ」にしばし思いを巡らせられる一冊です。
セレンディピティが本当に分かる本は無いのかも?
★★☆☆☆
セレンディピティという言葉が気になり、物語的な本として、本書籍を選びました。セレンディピティとは、ある事をしている際に、求めていなかった価値あるものを偶然みつけるというような事だという意味だったと思いますが、それが本書籍の最初の20ページ程度にのみ書かれているのみで、後は、本当に普通の物語になってしまい、少しがっかりしました。著者は、長年セレンディピティについて研究されており、本書籍も原本の抜粋をされて、物語の部分を極力削除したとあとがきに書いていました。
その意味では、他のセレンディップの物語を読むよりもこの本を読んだほうが良いとは思いますが。あまり期待をしないで物語として読む方にはお勧めします。