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風にのってきたメアリー・ポピンズ (岩波少年文庫)

価格: ¥756
カテゴリ: 単行本
ブランド: 岩波書店
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自立した大人の女性 ★★★★★
メアリー・ポピンズを初めて読んだのは中学1年生のとき、学校の図書コーナーにあったのがきっかけです。ディズニーのミュージカル映画になっていて映画の存在は知っていましたが原作があるのは知りませんでした。あまり期待しないで読んでみたのですが予想以上におもしろくて今でもこの文庫本は私の本棚にあります。児童文学、それもいわゆるファンタジーという分野にくくられていますが子供の頃の私が夢中で読んでいた理由は大人と呼べる年齢になった今はっきりとわかるのはメアリーの自立した生き方にとても“憧れ”を持っていたからだと思います。ナニーという仕事、マイケルとジェインから見たらちょっと怖い乳母ですがそれは彼女がきちんと仕事をこなしているからだと思います。だからこそきちんとお休みの日も申請出来るのでしょう。休みの日にはバートに会いに行き、そこでは乳母の顔ではなく一人の女性。思いやりのある言葉をかけられる程きちんとしたレディです。それに彼女はとってもお洒落なんですよね。少し自惚れが強いような描写もありますがそこも個性。ここでもやはりレディです。それにじゅうたん製のバッグから取り出したまっ白いエプロンにはのりがきいている、といったところも素敵です。

メアリー・ポピンズは男の人から見たらいまいちおもしろみにかけそうな気がしますが女の人から見たら1930年代にはもう存在していた“働く女性”の代表です。

もちろん物語はとてもおもしろいですし、挿し絵も素敵なのでおすすめです。
誰にも媚びない憧れの女性 ★★★★★
「メアリー・ポピンズ」の作品はどれも大好きだが、
実のところ、なぜ、こんなにもメアリー・ポピンズに惹かれるのか、
その理由は自分でもよくわからない。

メアリー・ポピンズは子供のお世話をするために雇われているが
子供のために何かをしてくれるわけではない。子供に媚びることもない。
それどころか、笑顔を見せることも滅多にない。
口調厳しく、子供たちの言葉もフンと鼻で笑って済ませる。
街に出かければ、子供の姿よりもウィンドウに映っている自分の姿に見とれてしまう。
子供たちへの言葉は数少なかったりぶっきらぼうだったりするのに、
自分の友達、バートへは優しく話しかけ、時には笑顔も見せる。

なのに、子供たちも私もメアリー・ポピンズに惹かれてやまない。
彼女に惹かれる理由には、彼女のすぐ傍に「不思議な世界」への入り口が見えることも
挙げられるだろう。彼女が折にふれ見せてくれる「不思議」は、とても魅力的で
わくわくする。彼女が話してくれるお話も、ちょっとした「不思議」が詰まっていて、
聞いているだけで楽しくなる。

彼女は、魔法をかけてくれる魔法使いというわけではない。
誰かのために(それが子どもたちであっても、雇い主であっても)魔法で
何かをしてくれることは、まったくない。けれど、彼女のすぐ隣には常に
「魔法」に通じる「不思議」がある。そして、彼女は立派な大人で、
大人以上の現実主義者にも関わらず、その不思議な世界を受け止め
その世界の中で、実に彼女らしく自然に振る舞う。その自然体の姿
いつでも、どこでも、誰と過ごしても、彼女が常に彼女らしいこと
それこそが、彼女の一番の魅力なのだと思う。

彼女は他人に媚びることはない。けれど、彼女が選んだ「とき」に、
彼女が見せてやってもいい、と選んだ人に、その不思議を垣間見せてくれる。
そして、そういった言動がバンクス家の子供たちに抱いている
彼女の親愛の情を私たちに伝えてくれているから、私はメアリー・ポピンズに
何度でも会いたくなるのだと思う。
映画を先に見ました。 ★★★★★
映画を先に見ました。
とても素敵なお話だったので、ぜひ、本でも読みたいと思いました。
わくわく、どきどきする感じが、映像を見た後だと、本を読んでいても、思いうかぶことができます。
読むかどうか迷ったら、ぜひ一度、映画をごらんください。DVDで検索すると出てきます。
魔法ではない不思議さ ★★★★★
 風にのって現れたメアリー・ポピンズは魔法はいっさい使いません。ただ不思議なことをするだけです。そこにこの物語が子どもを捕らえて放さないおもしろみがあるのだと思います。物語に登場するマイケルとジェインもきつい言い方をしたり、厳しくしてもメアリー・ポピンズから離れようとはせず、むしろどんどん近づいてゆきます。

 私は動物園の場面が特に好きです。動物たちが歩き回り、言葉を使い、そして檻の中に入っているのは、人間の子ども心を忘れてしまった大人でした。なんとも風刺的な場面です。

 物語を通じて魔法ではない不思議さが随所に見られます。それをメアリー・ポピンズの「魔法」として片付けてしまえば、あるいはファンタジーというカテゴリーの中で一定の地位を確立できたかもしれませんが、それでは本書のおもしろみが失せてしまうのではないでしょうか。
 あえて魔法とはせず、「現実の不思議さ」を描くことによってメアリー・ポピンズは本の世界の中で活き活きしてくるのではないでしょうか。

 メアリー・ポピンズは風であり、時間であり、大人でも子どもでもある。彼女は作中でこう述べます。「だれだって、じぶんだけのおとぎの国がある」きっと、彼女は子どもたちがそれぞれ持っているおとぎの国の住人なのではないでしょうか。大人になると子どもの時に聞こえた木や風、動物の声は聞こえなくなる・・・なんだか宮崎駿監督の『となりのトトロ』みたいに思えました。
読み手を選ぶかも,,,エブリディ・マジックのお話 ★★★★★
銀行に勤めているバンクス氏の家は桜町通り17番地。奥さんと4人の子どもたち、料理番、メイド、下男の大所帯で、なにかと家政がごたつきがち。そこへ颯爽と現れた女性がメアリー・ポピンズ。魔法世界では一流の家柄の出らしい。彼女の一にらみで、バンクス家の秩序はたちまち回復。

メアリー・ポピンズって魔力はすごいし、若いのに家事能力も満点なんだけど、きつーい性格の人なのです。何かといえば鼻を「フン」って鳴らして済ませてしまうし、うぬぼれ屋で、皮肉屋で、子どもたちにも「マイケル!いつから子供部屋は動物園になったんですか?」という口調。だから彼女を気に入らない読者には徹底的に嫌われることでしょう。私は素直じゃない女性がタイプなので、星5つつけますけど。

英語圏の子ど!!もたちが慣れ親しんで育つ、ナーサリーライムのキャラクターがたくさん登場します。私はこの本で月を飛び越える牝牛とか、ガイ・フォークス(実在)などの存在を知りました。英語の周辺の知識を養うことにつながるのではないでしょうか。