【セブン-イレブンで24時間受取りOK・送料0円!】 著者/訳者名:湯之上隆/著 出版社名:光文社 シリーズ名:Kobunsha Paperbacks 138 発行年月:2009年08月 関連キーワード:ニホン ハンドウタイ ハイセン イノベ-シヨン ノ ジレンマ ナゼ ニホン ノ キカン サンギヨウ ワ カイメツ シタ ノカ コウブンシヤ ペ-パ-バツクス 138 KOBUNSHA PAPERBACKS 138 にほん はんどうたい はいせん いのべ-しよん の じれんま なぜ にほん の きかん さんぎよう わ かいめつ した のか こうぶんしや ぺ-ぱ-ばつくす 138 KOBUNSHA PAPERBACKS 138、 コウブンシヤ コウブンシヤ 2271 こうぶんしや こうぶんしや 2271、 コウブンシヤ コウブンシヤ 2271 こうぶんしや こうぶんしや 2271 エルピーダメモリ1社を残してDRAMから撤退した日本半導体産業。1980年代半ばに世界を制した技術と品質は、
実話だが経営的な観点が脆弱すぎる
★★☆☆☆
研究書のように思えるところもあるが日本の半導体産業がどうしてこのような低いパフォーマンスしか上げられなくなったのか、という経営的な観点がほとんど解明されていないと思う。
開発技術者の短期的な視点からの分析であり,長年蓄積された結果としての経営上の問題が何も明記されていない。知財管理の問題、製品アーキテクチャー論からのアプローチがなければ問題の本質を正確に捉えることができない。特に、長期的な観点から著者も含め多くの失敗を放置しているところは本著の欠陥であり罪である。著者のゆうとおりにすれば日本の半導体が復活するという誤認識を招いてしまうかもしれない。
本当にその仕様が必要ですか、と一度でも思った技術者は
★★★★★
日本企業の技術者は最高の性能を目指す。一方、欧米や韓国、台湾の技術者は許容できる性能の範囲内で最低の原価を目指す。日本の半導体産業が韓国や台湾に負けたのは、意味のない品質至上主義が蔓延していたからだ。著者の主張をひと言で言えばこのようになるかと思います。
著者は16年間半導体素子の工程開発に携わった後、早期退職して(させられて)社会科学分野の研究者になった人です。現場を知らない経営学者や経営コンサルタントの著書とは、この点で一線を画しています。現在半導体工場で働いている技術者の中には、捉え方が浅いと思う向きもあるかもしれませんが、それでも経験しているのとしていないのとでは雲泥の違いです。
日本企業の昇進制度や特許出願の推進が抱える矛盾、素子製造企業と装置製造企業の共進化と「共退化」なども、技術者の多くが感じていたことを代弁してくれていると思います。
国家主導の研究共同事業体(コンソーシアム)や企業間の合弁事業がなぜ上手く行かなかったかを、現場の技術者の聞き取り調査から立証しているところなども興味深く読めましたし、インテルが原価を先に決め、それに合わせて工程を設計することや、サムスンが大量のマーケティング要員を中国等に派遣していることは、成程と思わされました。
日本は士農工商という考えがあり、技術者から見ればお金や販売に関することを無意識のうちに下賎なことと看做していたのかもしれません。著者が読んだ学生向けの教科書の引用(70ページ)が面白い。
エルピーダの坂内社長、日本体育大学を卒業してインテルに入社したという業界では異例の経歴ですが、このかたがただ一人早くから著者の説を支持したことは示唆的です。一方で、いわゆる一流大学卒の技術者から昇進したであろう企業の役員たちが著者の説に異を唱えていました。とはいえ、エルピーダについては坂内社長を持ち上げ過ぎな気もします。
気になった点を挙げるとすると、文中にやたら入る英単語がこの本の読みやすさを少し損なっているように感じました。たとえば、「官僚officialsが政策立案policy makingする際の」、「実情actual conditionに合わない」というような書き方です。日本語として意味が確定していないことばであれば、言語を書き添える意味も分りますが、この場合はそうではありません。著者の意図が分りかねます。
また、この本で多用されるdilemmaは「板ばさみ」の状態を言います。この本の場合は「意図した結果にならない」という意味ですので、「矛盾」とすべきではないでしょうか。ジレンマをこの意味に使うことは『イノベーションのジレンマ』以降増え始めたように思います。
原著のThe Innovator's Dilemmaは、書名でもある改革者が抱えるジレンマを、“the logical, competent decisions of management that are critical to the success of their companies are also why they lose the positions of leadership.” (「理に適った正しい決定を経営層がすることは、会社が上手く行く決め手であり、また、首位から陥落する原因でもある。」)としています。あちら立てればこちら立たずの状態です。最初から分ってるから板挟みになるのです。なお、括弧の中は文法的正確さよりも日本語としての読みやすさを優先して私訳しました。
日本の半導体産業分析のベスト本です。
★★★★★
この本は技術者の目から何故日本の半導体の原価が高いのか明確にしている。安く作る技術において韓国、台湾に圧倒的に負けていることを明確にした。
技術者には是非読んで欲しい。
★★★★★
過去、半導体の回路設計を生業としていたのですが、その頃に何となく感じていたことを、ズバリ書いてある本です。
問題は日本の製造業全体に共通していて、事業をやる上では "安く作ること" が非常に重要であることを認識していない
ことです。 むしろ、"安く作ること" (≒ 手を抜けるところは手を抜くこと) を軽視する傾向にあると思います。
"安く作ること" を身につけて初めて、日本の製造業の復権があると思います。
半導体に関係なく、技術者には是非読んで欲しい本です。
読みづらいが、中盤までの内容は汎用的な価値がありそう
★★★★☆
終盤からの内容は半導体業界限定となりますが、
中盤の内容は、半導体業界によらず
複雑化しプロセスが重要となっている業界であれば、
広く通用しうる内容になっています。
この中盤だけで読む価値があると思います。
半導体業界によらず、日本人全体の傾向として
品質最優先、品質過剰を度外視、コスト意識が低い。
それらの問題点を明確にし、
適切なコストを判断・意識し行動することの重要性を示しています。