コザの空気感は伝わる。作品は散漫だったかな・・・。
★★☆☆☆
本作は「ドロップ」と同じく「吉本×角川」コラボ作品の2作目だ。正直、ゴリ監督の手腕はまだまだだと思う。でも確実に「愛」はこもっている。品川監督ほど技巧派じゃないと思うが、その真っ直ぐな演出には好感が持てた。まあ本作は映画独特の「間合い」に乏しく、編集が粗かったことも確かであり、次回作に期待したいところだ。コザの空気は伝わるが、撮り方がTVドラマ的フレームだったのは撮影監督の責任もあるだろう。ゴリの俳優としての価値は「うた魂」や「GOEMON」で証明済みであり、今回も主演としての役割は十分果たしたと思う。ヒロイン役のAKINAは本作が初めての活動写真のはずだ。凛として溌剌とした芝居は、映画全体に空回りするシーンが多い中で非常に印象に残った。プロフィールを見ると1985年生まれ。ということは同年代に蒼井優、宮崎あおい、満島ひかり、貫地谷しほり、関めぐみ、加藤ローサ、相武紗季などなど、超強力な布陣が揃う大激戦区でもある。まあ満島とは「Folder5」仲間な訳だが(笑)、現在では少し差を付けられてしまった。早く次回作が観たい女優である。ミスキャストとしてはボビー・オロゴンを挙げたい。米軍基地の兵士役なのに英語がヘタ過ぎである(笑)。ナイジェリアでは広く使われている言語だと思うが、日本人の我々が聞き取れないレベルっていうのは凄い。全編「フリムン」たちの笑いで進行するので、敵役のボビーにはもっとクールで流暢に英語が話せる役者を配するべきだった。特典映像はメイキングと沖縄国際映画祭の模様などが収録されている。星は2つです。
はっきり言って下らないです(笑)
★★★★☆
ストーリーも、分かりやすくゴリ演じる主人公とボビー・オロゴン演じる米兵と、あこがれのダンサーをかけて決闘するんだけ。まぁ、そこに幼馴染みの女性が主人公に対する複雑な想いを隠しながらも手伝う、というもの。
正統派のスプラスティック、ドタバタの喜劇であることは間違いないですが、そこに、どれだけ笑えるかが勝負ですね。正直、笑えないネタも多いです。また、ブレーキの効きが悪いトラック、怪しげな占い師、平良とみ演じる空手の達人のとぼけた味わい等々、脱力感(?)はあります。(苦笑)
一瞬、物語がダレるかなと思うところで、「コツン」なり「ゴン!」といった笑いを入れてくるし、クライマックスの試合では、作戦通りの試合運びで善戦するが、味方に足を引っ張られたり、いちいちラウンドガールをいじったりと、遊びは盛りだくさんです。
ハンディカメラの使い方を洗練させ、下ネタに頼らなければ、もっと上質のコメディとして昇華されたはずだと思います。でも、次回作に期待させるものではありました。