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メディアと芸術 ―デジタル化社会はアートをどう捉えるか (集英社新書)

価格: ¥756
カテゴリ: 新書
ブランド: 集英社
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IT時代を意識し過ぎたのでは? ★★☆☆☆
デジタルメディアによるメディアアート(以下、デジタルメディアアート)を中心に据え論じているものの、著者が主張したいのは、声高に叫ばれるIT時代にあってもアナログ感覚が大切、ということだ。著者の主張も理解できるが、以下の2つの理由から、本書を高く評価することはできない。

(1) デジタルメディアアートの位置付け
著者は、デジタルメディアアートは、テクノロジーに依存しているだけの感性不在のえせアート作品が殆ど、という認識のようだ。確かに、デジタルメディアアートは、表現に用いたテクノロジーがいずれ陳腐化するという宿命を持っている。しかし、例えば、本書で取り上げられた、オールドメディアに属す19世紀に興隆したポスターが、陳腐化を通り越して芸術作品として残ったように、デジタルメディアアートも、いつか、(レトロな感覚とともに)芸術作品として見直される可能性はあるように思われる。その可能性有無は、本書の趣旨から言って、オールドメディアと対比させる等、具体的な議論があって然るべきで、著者の主観のみで判断されるべきではないと思われる。
また、本書の主張は、私の個人的な感覚とも相容れない気がする。私は、例えば、ナム・ジュン・パイクのビデオアートはウォーホルだけでなくモンドリアンやカンディンスキーとも同一空間にあり、その延長上にあるデジタルメディアアートも、旧来の芸術と同一空間に位置する(ようになる)と思う。また、デジタルメディアアートと領域を共有するサブカルチャーに対しても、私は好意的だ。

(2) 本書の構成
本書は良心的な書籍に属するとは思うが、それにしては反復記載が多過ぎる。正味はページ数にして1/4くらいではないだろうか。私は本書を読みながら、同じ映像を繰り返し使い回す民放テレビ番組を連想した。著者は民放番組を低俗と批判するが、同じフォーマットを利用するのは如何なものか。
本書の趣旨にそぐわない写真も散見される。T型フォード、ライト兄弟の飛行機、世界初のコンピュータといった写真を載せるくらいなら、メディアアート作品をさらに載せるべきだろう。
造形要素とメディアアートの関連を纏めた図表(p.113)やテクノロジーアートの概要説明(pp.133〜142)等、流石と思わせる箇所もあるので、本書全体を構成に留意して重複せず纏めていれば、もっと完成度が高くなったと思われ、大変残念だ。
メディアと芸術についての理論(;'Д`)ハァハァ ★★★★☆
(;'Д`)ハァハァ メディアというものが いかに、芸術などの文化の形成に大きく関与していたのかという事が分かって、面白かった。
非常に分かりやすい文章である。