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トリプル個人教授―兄嫁、姉、そして新任女教師と… (フランス書院文庫)

価格: ¥730
カテゴリ: 文庫
ブランド: フランス書院
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かなり思い切った結末 ★★★★★
片田舎の温泉旅館という舞台が情緒に溢れ、作品全体の雰囲気をなかなか良いものにしている。タイトルのように個人教授・特別授業と称して主人公の筆おろしを競い合う兄嫁と実姉なのだが、当初は消極的だった兄嫁がその栄冠を勝ち取る結果となり、実姉の嫉妬心・敵愾心がメラメラと燃え盛る様が可笑しいような微笑ましいような流れである。亡き夫からその弟へ想いを向け直す兄嫁が開き直ってからの淫らな積極さがなかなか良い。後半では、この2人との許されぬ関係に悩む主人公を気にしていた担任の先生が相談にのり、関係を結ぶこととなる。これが先生の「初めて」である。ボーイッシュで「王子様」と呼ばれる先生が初々しく乙女チックに変貌する姿が可愛らしい。タガが外れた先生は、授業中に抜け出して主人公と保健室で交わるチャレンジング魂も見せるようになる。

実は最初の兄嫁との情交から『危険日』、『奥の奥まで届く』といった“あること”を示唆するセリフや独白が散見していたのだが、最終的には結構凄いことになる結末を迎えている。男の願望を作品内で実現するファンタジーと見れば、これはこれでアリかもしれないが、読み進めるうちに「おいおい、主人公大丈夫か?」といった気も沸いてくる展開が終盤にある。いわゆるハーレムエンドというものがここまで一般的になってくると、どうしても一捻りした結末を考えたくもなるとは思うが、それにしても思い切った結末を考えたものである。えすかれ美少女文庫にでもインスパイアされたのだろうか。「これからどーすんの?」と「ま、頑張れ」という2つの想いがよぎる読後感である。星の数は、内容4+この結末を導いた勇気に1である。