日本の音楽シーンに挑戦した作品。
★★★★★
日本の音楽史に異彩を放つ作品です。伝説のアルバムと呼んでもよいでしょうか。内田裕也さんのプロデューサーとしての天分が発揮されています。何と言っても、麻生レミのヴォーカルが聞きものです。ジャニス・ジョップリンかグレース・スリックを髣髴させます。これほどロック・フィーリング溢れる人はそういないと思います。発売が1969年ですから、それを考えると、よくぞ、ここまでのサウンドを創りあげたと感激です。日本のロック・シーンはグループ・サウンズに進んでいって、アメリカやイギリスのようなムーブメントとまではいかなかったのですが、そういう中で、一途にロックを追い求めた内田裕也さんの思いが伝わってきます。アルバムを出させる代わりに録音をしたというシングル曲がボーナス・トラックが入っているのがユニークです。このアルバムで追い求めているロックと余りに距離のある曲です。これが当時の日本の音楽事情を示していると思います。