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あなたは当事者ではない−〈当事者〉をめぐる質的心理学研究−

価格: ¥2,625
カテゴリ: 単行本
ブランド: 北大路書房
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当事者・非当事者が研究者であるということについて ★★★★★
研究者が当事者であることと、あるいは非当事者であるとは、心理学的な研究においてどのようなことなのかを、様々な分野の研究者がそれぞれの立場からそれぞれの考えを書いた本。例えば福祉にかかわる調査研究で聞きとり調査などを行うときに、研究者が当事者であうことをカミングアウトして臨むことによって、微妙な関係性の変化が生じることがありますが、それが果たしていいことなのか悪いことなのか、現場で煩悶する研究者の悩みなどがそのままストレートに書かれています。自分は当事者なのか、研究者なのか、当事者としてそこに関わっているのか研究者として関わっているのか、あるいは両方か。都合のいいときだけ当事者です、といって出ていくのは果たして正しい態度なのか、など、その結論はともかくとして、そういった自分を把握しようとする真摯な態度そのものが伝わってきて考えさせられます。ちなみに、タイトルは、実際に現場で非当事者の研究者が調査対象者からいわれた言葉なのだそうです。当事者じゃない人にはわかりっこない。それはある意味で正しいのかもしれませんが、では、当事者であれば自動的にわかるのか。それもまた疑問です。また、当事者でなければわからない、で済ませておいたら、当事者のいたみは社会の仕組みに転換されていきにくいのではないか。それは当事者だけの問題なのか。研究とはそもそもなんのために行われるのか。社会の仕組みを転換していくための課題提起なのではないか。だとしたら、その課題提起はいったい誰のものなのか。など、読んでいるうちに、いろいろな疑問が芋づる式に湧いて出てきます。もちろん、「こうですよ」などという答えは出ていませんが、多くの研究者の悩みのプロセスを共有し、それをまた自分自身で考えて自分なりの答えを出していくためのヒントになります。