【セブン-イレブンで24時間受取りOK・送料0円!】 著者/訳者名:姫野カオルコ/著 出版社名:日経BP社 発売所名:日経BP出版センター(発売) 発行年月:2009年06月 関連キーワード:モウ ワタクシ ノ コト ワ ワカラナイ ノダ ケレド もう わたくし の こと わ わからない のだ けれど、 ニツケイビ-ピ-シヤ ニツケイビ-ピ-シユツハ 6401 につけいび-ぴ-しや につけいび-ぴ-しゆつは 6401、 ニツケイビ-ピ-シヤ ニツケイビ-ピ-シユツハ 6401 につけいび-ぴ-しや につけいび-ぴ-しゆつは 6401 動けないし、しゃべれないし、もう私のことはわからないのだけれど……。母は、だれかが自分を訪ねて来てくれたことが、よくわかっています。いちばんきれいな顔で迎えてくれますから。 日本のどこかに暮らすごく普通の介護する人がふともらしたつぶやきを、作家・姫野カオルコが写し取った掌編小説集。だれにも言えない本当の気持ちをこの本を開く時ならぶつけてもいい。ひとりで泣
姫野だからこそ書ける本
★★★★★
この人にはなんども驚かされている。
もはや多少のことでは驚かないぞ、と決めて読み始めたが
いかん...また やられてしまった。
架想の投稿者が語る『介護』にまつわる心情を吐露した内容の本です。
『介護』と一口に言っても、10人いれば10人の事情があり
10の家族の歴史があり 10の葛藤があり また10の言い訳、後悔があります。
『介護』という先のみえない継続のなかで
相手と自分がどう向き合ってきたのかという過去と
そしてどう係わってゆくのか...という模索。確かに続く日常。
回りでなにが起ろうが、そこには常に生きている相手がいて
逃げる訳にはいかない、忘れる訳にはいかない。
時にあせり、疎外感に涙し、あれこれと考え、時に諦め
さまざまな思いの中でそれでも確かに今そこにいるその人と
今そこにいる自分を見据えてきた作者だからこそ書けた
深い発見と慈愛の一冊です。
細切れな時間、場所で本を手にする介護者の読書を思ってくれたのか
邪魔にならない小ぶりでかつしっかりしたこの本のカタチにこそ
書いたひとの祈りにも似た心づかいを感じます。
涙腺拡張
★★★★★
13話続けて読むと、涙腺がじわじわ拡張されていくようでした。
こうした経験など一度もない私が、です。
共感だけが、作品の受け取り方ではないですね。それをすごく感じました。
プロフィールのところに記されている、その人の生きてきた時代や家庭環境が
何人も積み重ねられていくことによって、 そこには私とはまったく別の、
交差することもない人たちの人生がある、ということがなんだか嬉しくて
悲しいような感覚でしょうか。
こうした立場とは無関係人たちにも届く作品集だと思います。
同時に、同じ立場でつらい気持ちになっている人に薦めたくなります。
心にしみました
★★★★★
「もう私のことはわからないのだけれど」、 心にしみました。
「1984」は、ふうんと思っただけでした。ふうんと思うだけの私の
頭が悪いのでしょうか。でも正直なところ、読んだらあとに何も残って
ませんでした。
「もう私のことはわからないのだけれど」は、残りすぎて、心にしみて、
それでももう一度読み返したいと思いました。
もう一度読み返します。
話してくれてありがとう
★★★★★
介護を伴う日常を過ごす、十三人の独白からなる連作掌編小説集です。
初期作品にも共通する魂が感じられました。
それは、語るに語れない心の叫びに接した感覚です。
作中でも述べられる通り、実際の介護の苦労話を聞く機会は少ないものです。
積極的に話して盛り上がるような内容ではありませんし、理解できない人には特殊な人として敬遠されるだけがオチになるような恐怖があると思います。
でも、この一冊を読んでいると、語りかける十三人が、本当に僕のことを信頼して、心の内を語ってくれていると言う錯覚に陥り、そんなふうに信頼されている自分を幸せな人間だと感じることが出来ました。
少なくとも、このような人がいる。と言う理解が、僕をほんの少しだけ「人に対して優しくできる人」にしてくれたような気がします。
すごいです…
★★★★★
ああああ。
姫野さんの他の本もたくさん読んでいるので、すみませんって謝っているのが
姫野さんご自身でもあるんだろうな、と思って胸がきゅーっとなりました。
普通の人がふともらしたつぶやき、と帯にありますけれど、普通の人は、
つぶやきたくてもどんな言葉を出したらいいのかわからないから、
心の中にいろんな思いが渦巻いています。
この作品は普通の人の「そう、こういう言葉が喉につまってたんだ」という
思いを代弁してくれた本。
代弁してもらえた人のどれだけ救いになるだろう、
と考えるだけで本当に素晴らしいです。
また、「ぱたぱた」や「衣斐さんと衣斐さんの奥さんのこと」「嫁」は、
苦しい気持ちの代弁というのではなく、別の意味で(本来の意味で)、
救われます。
「横浜なんかに住んでてすみません」は自分と重ねて何も言えなくなりました。
日経ヘルスプルミエで連載されていたそうですが、ため息出 ました。
こんなすごい小説が日経ヘルスプルミエに……いや日経ヘルスプルミエだから
連載できたのかも……。
なんだかいてもたってもいられなくなって、昨夜は夫に読み聞かせてしまいました。夫は本に対して本当に厳しいのですが、その夫が「姫野さんって……すごいね」と驚いていました。ずどんと刺激される本です。