きづきと工夫
★★★★☆
9章の様々な驚きの事例インデックスにとどまらず日本の独自性を軸に新たなテクノロジー
へと舵を切るべきとの著者の考え方に共感をおぼえた。日本という方法は昨今多くの本が出ているが著者がよってたつ「粋」に代表される文化だけでなく、いろいろな切り口/(文中目についた「入口のドア」という表現をされているが)により新たな展開やきずきが読み手側にもあるやに感ずる。 雑誌のような形やTVでビジュアルでみたいページがいくつもあったので今後さらに小学生の子供たちが手に取れるような本や動画にも期待する。
やっぱり理系楽天主義
★★☆☆☆
う〜ん・・・、科学への過信を戒めてはいるものの、それでもやはり本書は数多くの類書同様、典型的な理系楽天主義に支えられているように思えてなりません。「地球環境問題の解は、人間活動の幾何級数的な拡大を物質的・精神的にいかに収束させるかにある」と正しい指摘をしておきながら、本書で述べられる精神面での解決策(古き良き日本精神への回帰)はあまりにも陳腐です。人間の心を科学でコントロールすることこそ、今日最も緊急な課題なのではないでしょうか。
持続可能な社会構築への新たな手引書
★★★★★
最新の知見をベースに環境問題の深刻さを非常にわかりやすく伝えている。
このままではいけない、自分も何か行動をしなければという強い衝動に駆られた。
環境問題の深刻さを伝える書籍は数多く存在するが、
この一冊を読みとおすことで、環境問題の全体像を体系的につかむことができる。
専門家のみでなく、これから環境問題を学ぶ社会人や学生にもぜひお勧めしたい一冊である。
ネイチャーテクノロジーの事例についても数多く書かれ、初心者にもわかりやすく解説している。自然のずごさをあらためて実感した。自然から学び、生き生きと生きることができる社会。そんな社会のイメージを浮き彫りにしている。
エコな若者へのメッセージ
★★★★★
ヤモリはなぜ天井を走り回れるのだろうか。
魚、アワビ、カタツムリ、シロアリ、ウジ、クモ、カイコ・・・・・・
小さな生き物の不思議な技が出るわ出るわ。
これらを呼び水として、人々が生きることを楽しんで暮らすためのテクノロジーについて読者に考えさせている。
石油が枯渇に向かい、現有埋蔵量を使い切る金属もみられるという2030年がターニングポイントと指摘する等、未来を生きる子たちのために奮闘する著者の危機意識が伝わってくる。
ものづくりからことづくりへ、テクノロジーのパラダイムシフト
★★★★★
これまでのテクノロジーは種々の使用目的を持つ「モノ」を大量に造ってきた。その結果造ることでエネルギーを消費すると共に、個人個人が大量のモノに囲まれ、それを使うために更にエネルギーを消費し、ついには、現在の温暖化や資源の欠乏を招いてしまった。
そのようなモノ造りから造るのにも使うのにもエネルギーを消費しない、モノではなく「(種々のサービスを提供するという)コト」を造るという生産方式が今後の向かう方向であり、これまでのモノ造りを支えてきた考え方を変える、つまりテクノロジーのパラダイムシフトが今後の世界に必要であることを述べたのがこの本だと思う。
つまり、9章で述べられているテクノロジーはこれまでの思考方法とはまるで次元の違った考え方で実行されるべきだということを知ってもらうために1章から8章があるように感じた。
このような読み方をした読者にとっては、本当に興味深い本であった。