面白いが 初心者には難しいか
★★★★☆
バイオミミクリーという言葉を知ったので 本書を読む機会を得た。
バイオミミクリーとは自然をモデルにして物事を考える学問だ。クモの糸やアワビの殻の強靭さ、光合成という発明で太陽光を貯蓄できるエネルギーにする植物、体調不調を特殊な植物を食べることで治すチンパンジー。本書で紹介された生き物たちは 人間の知恵を超えたものがある。それだけに そこから学ぼうというバイオミミクリーの話は実に面白い。
本書はエコロジーにおいている軸足が強い。この点が ちょっと本書を 一種のアジテーションにしてしまっているきらいがある。僕としては 素人として 本書で挙げられる事例が本当に面白かっただけに その点で 読んでいるテンポが狂う場面があった。
また 説明が かなり専門的に流れ 全くの素人である僕には ちょっと理解できない点があった点が残念である。直感的に バイオミミクリーには 豊かな可能性があると思うだけに もう少し 初心者向けの本があるべきではないかと思う次第だ。