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村上春樹 イエローページ〈3〉 (幻冬舎文庫)

価格: ¥800
カテゴリ: 文庫
ブランド: 幻冬舎
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至高のハルキ論か。書評家の暴力か。 ★★★☆☆
村上春樹さんの小説のことをつぶさに分析しています。なるほど「アンダーグラウンド」「約束された場所で」を読んでみよう、という気にさせてくれますし(読んでないので)、特に「スプートニク」は小説を思い出しながら楽しく読めました。

ただ留意すべきは、この読解はあくまで加藤氏による読解である、という点でしょう。イエローページ1&2ではあまり感じなかったのですが、今回は、加藤さんが読者の解釈を自分の解釈に強引に収斂させようとしている、激しい言葉ですが、読者の読解を堕胎させようとしている、そういう意図を感じないでもなかったです。というか意図はなかったとしても、そういう危険性への自覚が著者に薄くないか??ということを強く疑問に感じました。それは事実です。

読者と作品とのつながりが単純に「読者」と「作品そのもの」とのつながりであれば、加藤さんのこのような仮説が意味をもつのかもしれません。しかし読者と作品とのつながりがそのように単純ではなく、「刻々と変化する読者」と「読者の作品の記憶」によるある「あいまいな」つながりがより重要であるとするならば、ある意味この見解は、読者の「記憶」に対する暴力であり、作品の試みを台無しにするものである、とも言えると思います。

正直言って、僕はこの加藤さんの解釈をどう受け止めればいいのかわかりません。なのでイエローページ3をこれから手にとろうとしている人がもしいたら、「感動の震源はあくまで作品にある」、「自分の感動はそのことだけで価値がある」というその基本的なことをもう一度確認してから読んでほしいです。ちなみに僕は今のところ、イエローページ4は、出たとしても読まないです。
「イエローページ4」にも期待!? ★★★★★
混乱する人がいると思うので単行本との関係を説明すると、
これは荒地出版社から出た『村上春樹イエローページPart2』の文庫版です。
「Part1」は2分冊で文庫になったのに、今回は1冊にまとめられています。
(だから、ちょっとややこしい)
扱われている作品は『アンダーグラウンド』『約束された場所で』『スプートニクの恋人』
『神の子どもたちはみな踊る』『海辺のカフカ』『キャッチャー・イン・ザ・ライ』。
文庫化にあたって『アフターダーク』から最新作『1Q84』第1部・第2部を踏まえた加筆が随所に施され、
「まえがき」「あとがき」そして「補章」が新たに加えられています。
本書を読むと、1995年に起こった阪神淡路大震災と地下鉄サリン事件が、
村上春樹にいかに大きな影響を及ぼしたかが改めてよくわかります。
しかも、そこからなぜか「父親」というテーマが浮上してきている……。
『1Q84』解読のためには、この時期の作品群を読むことが欠かせないという思いを強くしました。
ちなみに「文庫版のためのまえがき」を読むと、著者は「イエローページ4」を出す気満々といった印象を受けます。
『1Q84』の第3部が来年夏に刊行される予定だというし、それに合わせて準備中なんでしょうか。
「4」ということは、いきなり文庫で出るのかな?