人が人を裁くということ
★★★★★
劇の台本形式なので、ページ数も73ページと少なめ。
でも、十分緊張感が伝わってきて、おもしろい。
16歳のスラム街の少年が、父親殺しの容疑で逮捕される。
少年は日頃から父親に殴られ続けていた。
「殺してやる!」という少年の声を聞いたという証言。
少年が父親を刺したところを見た、という女性の証言。
12人の陪審員たちは最初の表決をとる。
11人が有罪に挙手。
しかし、全員一致でなければならない。
そこから、
ロックされた一室で、
うだるような暑さの中、
緊迫のドラマが始まる。
陪審員制度が始まろうとしている今、
人が人間を裁くことの難しさ、厳粛さ、
そしてその姿勢を問う、かなり興味のある本だ。