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廃用身 (幻冬舎文庫)

価格: ¥630
カテゴリ: 文庫
ブランド: 幻冬舎
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現実になる日が来るかも ★★★★☆
 うちにも、80歳を超える老人を二人抱えています。今、私は心身ともに元気ですが、30歳先40歳先にはこのように、老いていくと思うとゾッとします。そのくらい、老いるということは、目の当たりにして悲しくあり、醜いものだと痛感しております。
 この廃用身は、老いをどのように受け入れるかを考えさせる一冊でした。斬新なアイデアで、近い将来あるかもしれない老人の治療法...あなたもゾッとしてみませんか?
誰もが考えさせられるテーマ ★★★★★
とにかく何かしらの衝撃を受けることは間違いないと思います。
この世に存在している以上、"親"という存在がある訳です。その親も、また自分自身も「老い」という宿命からは逃げられない。
いつかその事を考えなければならない時が来るけれど、やはりどこかで考えたくない、そこから眼を背けているのが人間ではないでしょうか。
その事に必然的に眼を向けさせられる作品だと思います。
いつ、自分がその問題に直面する立場になるのか分からない、と考えさせられる作品でした。

読んでるうちにフィクションなのかノンフィクションなのか分からなくなり、何度も最初や最後の解説などを確認してしまいました。
そしてすっかり騙されました。

問題作ではあるけれど、読んでいて引き込まれる作品でした。
高齢社会の現実を直視して ★★★★☆
フイックションであるが、現実にある固有名詞と
架空の固有名詞が使われており微妙に
現実に身の回りで起きていることのように思われ
(特にこの小説の舞台である神戸を私が良く知っているためもあり)
設定がショッキングであり、
社会に対しての提起でもあるかのような表現でもあるため
ノンフィクションのような様相を醸し出し
引き込まれていった
小説というものというカテゴリーに入れられるかどうか
主人公の医師の遺稿という形の内容が前半で
その主人公に本の出版を依頼した出版社の社員と
その医師とのやり取りや
医師を取材しての経過、医師を取り巻く人々の様子の取材が
後半半分という形である
そのような形を取っているこの本、途中まで読み進めていくうちに
この話がきっちりとした形で最後を収めてくれるのかどうか
それが心配になったが
その心配をよそにみごとな結末で締めくくっているところが
とてもすばらしい

著者に代わってストーリーを語る二人を登場させ
一見するとふざけた悪趣味なアングラ小説か
何かになってしまいそうな設定を
特に小説っぽい体裁にしたりせず
出版社の人が遺稿と医師の取材の報告の本という形で
奥付けまでつけてまじめな形で載せている

このような形の小説に
著者のみごとなアイデアと知性を感じる
面白い〜全部入り小説 ★★★★★
医者が書いた老人介護の実態。そこから始まる「Aケア」という新しい治療。
その画期的な治療法をめぐる様々な人々の思いを読みながら、
「あぁこれは老人介護の未来の姿だな。Aケアもありかも…」
と思っていると、途中から編集者への語りに変わる。
マスコミ報道を通して、各方面からのものの見方、裏から、またその裏からの視点。
そして当初の著者である医師と周りの人たちの劇的な物語。
まるでノンフィクションかのような世界。

いろんな角度から読者を楽しませてくれる全部入りの小説。
すごかった。 ★★★★★
立ち読みした時にはノンフィクションかと思った。
なんだこれ!?こんな事件あったか?
と表紙をもう一度見返してみると
「久坂部羊」
「破裂」の著者だった。

漆原医師の観察記録(?)形式で物語りは進んでいく。
なるほど、もし自分が麻痺を起こしたら
「Aケア」をしてもらおうかなどと考えるくらい
素晴らしいことだらけ。
でも心の中で、なぜか不安はずっと解消されない。
どこかで漆原医師が狂気に駆られているように
思えてならないのだ。

物語の後半も興奮は収まらず
一気に読み終えてしまった。
なんだかクラクラしてしまった。
「介護」というテーマ自体が
単なるフィクションとして
片づけられない「現実」だからだろう。
面白い ★★★★★
読んでからのお楽しみ。