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貧困旅行記 (新潮文庫)

価格: ¥662
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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タイトルほど「貧困」ではない ★★★☆☆
最近つげ氏のマンガを読み、つげ氏のバックグラウンドを知りたくなって
本書を購入した。つげ氏は自分が落ちぶれていく様をかみしめるため、そんな自分の
状況にふさわしい鄙びた温泉を選んで旅行するそうだ。つらい日常生活から逃れたい
という気持ちもあろう。

この「旅行記」は思ったほど貧困でもなく、書きぶりも淡々としており、読み物と
しては退屈に感じる人も多いのではないかと思う。しかしこのようなショボっとした
旅が好きな人も多いと思うし、そういう人は本書を楽しめるのではないかと思う。

また所々に挿入された、当時の白黒写真がなんだか懐かしい気分にさせてくれる。
趣味じゃないですね ★★☆☆☆
 好きな人には好きなんでしょうけど私には好きになれない内容でした。
 作者の後ろ向きな姿勢や対象物のスケールのなさや妙なこだわりが好きな人にはものすごく受けると思いますが私にはちょっと?って感じです。
 日本人って作者のようなタイプの人って結構多いと思いますから根強いファンを獲得しているのだと思います。
 ユーモアに関しても笑える部分もありますが全般を通して私にはあまりおかしくない内容でした。
 でも好き嫌いって人に違いますから一度自分で読んでみることをお薦めします。
つげの世界は昭和40年代の日本にあった ★★★★☆
本書にはつげ本人が撮影した写真がけっこう収録されているのだが、昭和40年代後半から50年代にかけてのモノクロ旅先スナップの風景は現在の日本ではすでに絶滅しているのではないだろうか。うらびれてひなびた景色の数々は行ったことはないけれど、どこか懐かしい。でもなぜか知っている・・・そうだ、10年前に読んだ筑摩書房から出ているつげ義春全集で遭遇した彼の漫画の世界であった。一読して発見したことは、なんとなく出不精のイメージがあったつげは日本全国津々浦々旅で巡っていることである。彼らしいのは観光地は皆無で、湯治場など渋くてマイナーなところばかり出かけているのだ。今もそれらのスポットは残っているのだろうか? 見る影もないのかも知れない。本書は漫画の方をある程度読み込んでから読まれた方が趣向が増すような気がする。
うらぶれた宿になにをかんじるのだ? ★★★★☆
つげ義春の本業である漫画に触れずに本書を先に読んでしまいました。それって、ほんとに理解しているの?とつっこまれるとちょっと言い訳が苦しくなるのですが。
さびれまくった宿に魅力を感じ、その手の宿をさがしもとめては旅にでるというエッセイ集です。日本の「情緒」というものを表現した言葉でよく「わびさび」といいますが、そこから「ゆとり」と「優雅」をとりさってしまうと、こういう風景になるのでしょうか?それとも「わびさび」に現実(貧困)をたしあわせて、まぜて、干してみるとこのつげ義春の世界になるのでしょうか?
日常と距離をおき、ちょっと悲しげで、あえて孤独で侘しい気分を味わってみたいという、「勝ち組を目指す」とは無関係になりたい気分のときは読んでみてはどうでしょうか?
場合によっては新鮮な世界観を発見できるかもしれません。
さほど困窮してないなぁ・・・ ★★★★☆
最初の蒸発旅日記はけっこうドラマチックで、出来事などは多少誇張した私小説という感じがしましたが、それ以外の章では取り立てて驚かされるような逸話もなく、旅日記的な文章が淡々と綴られています。
ですが、味わいとしては、それら淡々としたものの中にこそ「貧困旅行記」というタイトルに相応しい趣があり、私はそれが楽しめました。

この「貧困旅行記」というタイトルに関して考えると、著者の経済状態に依るところの、旅費などが制限された旅というイメージがありますが、実のところそうではなく、著者は日本全国津々浦々旅をしているようであり、また、一度の旅行で何泊もすることなどから、さほど困窮していないことがわかります。
では何が貧困なのかというと、それは著者が好き好んで侘びしいものを求めて、わざわざ寒村や秘境を訪れているということであり、その著者の明確な好みの表れとして、商人宿や旅籠屋、時には酷いボロ宿を利用するということです。

私なども偶に廃屋をみつけると思わず写真におさめてみますが、そういう風景として、もしくは他人事として侘びしさを感じることが愉しめる人には可成り面白い読み物でしょう。

ただ、著者の求める侘びしさとはもっと本格的(病的)なもので、自分が零落している様を思い描く手段として、これらの旅をするのだと自己分析されています。この辺りの精神状態はちょっと私には理解できません。