結論とレシピはいいが、視点とデータがダメ
★★☆☆☆
この本の長所
1.結論。これはあくまでも私見だが、私自身の体験からしても、朝食はとったほうがいいと思うから。ただ、夜遅くまで働いている方に適用できるか。
2.レシピ。まだ作ってはいないが、言いっ放しでないのはよい。
この本の短所
1.視点。著者がいいと思わないことを何でも朝食を食べないことに帰するのは強引ではないか(精神障害も薬物摂取も生活習慣病も朝食を食べないことが主原因か?)。また、朝食をとらないなどの原因の1つは、労働問題のはずで(残業、深夜労働。家族みんなで食べるためには夜遅く食べ、その結果就寝が遅くなってもやむを得ないだろう。それがダメなら孤食になるのでは?)、朝食の前にまずはそちらの運動なりをされたらいかがか。
2.データ。(1)そもそも「改変」が多いので、元のデータに当たることは必須。まさか、著者に都合のいいように枉げてはいないですよね。(2)解釈もダメ(たとえば、p125図4−3のデータのどこを読めば「夜勤や残業などによってやむを得ず生活が乱れる場合は、一部にすぎません」との解釈が出るのか)。(3)著者の主張に都合が悪いデータはあえて示していない疑いがある(たとえば、p105暴力行為のデータは不十分)。
結論―長所星4つ、短所星1つ、短所を重視して星2つ。
早寝早起き朝ごはん
★★★★★
栄養バランスのよいものを食べ、良質な睡眠をとる。いくつになっても健康に過ごすには、やっぱりこれが基本ですね。グラフや解説もとてもわかりやすい本で再認識しました。
朝食の有用性をデータを示して実証
★★★★☆
2000年に書かれたものの改訂版です。
「朝食を食べよう」と文科省を挙げて取り組みだしたのが2006年。
それ以前から朝食の重要性を説いていたのが香川さんです。
朝食が人間にとっていかに大切かということが、いろいろな方面から、またデータも示しながら書かれているので、説得力はあります。
朝食を欠食するなんて考えられないわたしでも、もうちょっとグレードの高い朝食を食べようかと思うくらいです。
それでもちょっと文句を言わせてもらえば、「成績がよくなる」ことが強調されている点でしょうか。
朝食を食べれば、身体にスィッチが入って、活動レベルが高くなって、その結果、学業にプラスになるということはあると思います。
その朝食を食べるためには、一定の規則正しい生活ができていなくていけなくて、そういう子は勉強や睡眠、食事のリズムがとれているということも言えます。
全寮制の大学で、食事のリズムをしっかりとった学生は、医師の国家試験にも通り、医師になってからもたいへん評価が高いということです。
これもデータを示して実証しています。
それはそうなんですけどね、だから朝食を食べることはいいことなんですけど、そもそも「規則正しい生活」をするためのモチベーションをどう作るかのほうが、難しいように思います。
だらだらと過ごすのって、結構、楽しいんですよね。
きままに生活して、それでも学校や仕事も適当にやり過ごしてしまっていたら、わざわざ規則正しい生活をしなくてもいから。
学習意欲だけではなく、生きる目的みたいなもの。
自分はどういうことに意欲をもって生きたいのか、そういうものがある人やそういうものを持ちたいと思っている人には、格好の著書だと思います